インボイスは国家的自殺 フリーランスら 署名36万人分を提出〈2023年9月17日号〉

 10月1日のインボイス制度開始が目前に迫った4日、インボイス制度を考えるフリーランスの会(STOP!インボイス)とインボイス問題検討・超党派議員連盟が緊急記者会見を共催しました。各政党の国会議員、財務省、国税庁、公正取引委員会の担当者も参加しました。

署名を財務省、国税庁、公正取引委員会の担当者に手渡すSTOP ! インボイスのメンバー=4日、千代田区

 前日までに集まった署名は36万人分を超え、ウェブ署名サイトchange.org で過去最高の署名数だった東京五輪の開催中止を求める署名に次ぐものです。同会は、インボイス制度の中止・延期を求める「緊急提言」を発表。発起人の小泉なつみさんが、「消費税(付加価値税)はクリエイティビティ(創造性)に対するペナルティ。何もないところから工夫や努力で生み出された付加価値が、日本らしさであり、国の財産だ」と語り、文化や伝統も新しい芽も潰す税制度は国家的自殺行為だと、制度中止を求めました。

インボイスは消費増税

 藤井聡京都大学大学院教授は、インボイス制度を導入すべきでない理由を講演。「免税事業者は預り金を適正に払え」などの誤ったコメントをマスコミが流し、制度の中身やその影響が全く知らされていないと指摘しました。

 たとえば商店で100円のものを購入すると10円の消費税が掛かります。国民の多くはこの10円を預り金と認識していますが、それは誤りで、消費税分の上乗せも見込んだ価格を商店が設定しているという事実しかなく、財務省も預り金ではないと国会で答弁しています。

 現制度では、売上から原材料費などを引いた粗利の9.1%を消費税として納税しますが、応能負担の原則から1000万円以下の事業者は免税されています。インボイス導入で、課税業者、免税業者、消費者のいずれかが、負担することになります。

 「インボイス制度の導入は、純然たる消費増税だ」とインボイスの正体を語り、経済が厳しいなかで増税すれば岸田政権の賃上げ政策にも逆行すると、制度開始を厳しく批判しました。

立場弱い業者が税負担

 弱い立場にある免税事業者が課税事業者に転換すれば、重い税負担が発生します。免税事業者のままなら、取引からの除外もしくは値引きを要請される可能性があります。負担能力がないとされていた人にも納税が課せられることになると会は警鐘を鳴らします。

 会場の当事者からつぎつぎと問題が告発されました。

 大手の軽貨物業界の物流は、最後の区間の配送を18万社33万人の個人事業主が担っています。年間平均売上は500万円程度、インボイスで増税対象となります。「多くのドライバーの廃業、物流危機、残ったドライバーの過密労働も懸念される」と建交労軽貨物ユニオンの高橋英晴委員長は語りました。

 島根県で和牛の繁殖と稲作を営む、農民連の長谷川敏郎会長が発言。今年は仔牛価格が大暴落する一方で、輸入の餌代は高騰。農協のコメ買取価格は1俵1万2200円と安く、コメも牛も赤字で所得税も払えないのに、インボイスで消費税をむしり取られたら廃業しかない、と危機感を示しました。「日本の農家は1000万円以下の小規模経営がほとんど。38%の食料自給率がさらに下がり、国産食物がなくなる」と語りました。

煩雑で現場は困惑

 中小企業のためのパートタイム経理部長業を営む堺剛氏は、企業の経理担当者709人に行ったインボイス制度の意識調査結果を発表しました。「インボイス制度を導入すべきでない」「延期すべき」と88%が回答しました。その理由として、「事務負担が大きくなる」が82.9%、「免税事業者の経済負担が大きくなる」が74.6%と続きます。

 インボイス導入を機に異動もしくは転職・退職を考えている経理担当者は3割を超え、税の三原則のうち、中立・簡素に反すると指摘しました。

 会はさらに50万人分の署名を目指し、制度中止を求めていきます。

東京民報2023年9月17日号より

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