「最悪の不当判決」と怒り 目黒区被災者追い出し裁判〈2024年4月7日号〉

報告集会で判決を厳しく批判する弁護士ら=3月25日、千代田区

 東日本大震災の津波で自宅兼事務所を失い、目黒区が「応急仮設住宅」として募集していた区民住宅に宮城県気仙沼市から避難した女性(69)が、区から支援打ち切り後の家賃を請求されている裁判で、東京地裁(金澤秀樹裁判長、代読・大須賀寛之裁判長)は3月25日、判決を言い渡しました。

 判決は女性の主張を退け、区に対して820万6790円の賠償と、2022年8月30日から支払いが済むまで、年3%の遅延損害金の支払いを、仮執行宣言を付して命じました。

 女性は病気の夫(18年10月死去)の治療のため、友好都市の目黒区に避難。18年3月末に住宅支援が終了したものの、余命を宣告された重篤な夫の看病で身動きが取れず、転居先も決まりませんでした。

 閉廷後の記者会見で、被告代理人の山川幸生弁護士が判決内容を説明。判決で唯一、女性が「経済的苦境にあった」ことは認めましたが、区が女性にチラシ4枚を郵送して転居先の情報提供を行ったことなどに関し、「相当の支援措置」と判断しました。

 無償住宅の提供打ち切り後、東京都や世田谷区は希望する被災者に対し、それぞれ低廉な都営住宅、区営住宅を用意して居住の継続を支援しています。女性側は区の不十分な対応を訴えましたが、判決は「各自治体の裁量に委ねられている」と区側を擁護しました。

 山川弁護士は災害救助法の第三条を示し、「自治体に救助の万全を求めているが、『万全』の意味が空文化している」と指摘。「被災者は切り捨ててよいというメッセージを、この判決は出してしまった」と厳しく批判し、「想像し得る限り、最低最悪の劣悪な不当判決」と怒りをにじませました。

 女性は判決に対し、「すごく悲しい。本当につらいです」と、静かに口を開きました。今後の対応については、現在検討中です。

東京民報2024年4月7日号より

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