大阪での万博が55年ぶりに開幕しました。「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマに10月までが開催期間です▼ゴミの埋め立て場を利用した万博会場では、開幕直前にも発火すれば爆発するレベルの高濃度のメタンガスの発生が確認されました。工期が遅れて、一部のパビリオンは未完成で深夜までの突貫工事も続いているなど、「いのち輝く」とはかけ離れた事態が発生しています▼インターネットからの予約などで「並ばない万博」を掲げているものの、開幕直後から、会場入り口にも、各パビリオンにも、長蛇の列ができています。初日は、最寄りの駅がパンクするなどして、冷たい風雨を避ける場所も少ない中で、会場を出ることができずに待つ長い列ができました▼こうしたさまざまな問題点の背後には、当初から予測された構造的な課題があります。人工島で、地盤が弱く、海風にさらされる上に、陸路からのアクセスが限られた夢洲(ゆめしま)を会場としたことです▼隣接する土地に開発をねらう大阪カジノの誘致のために、万博を利用しようと、夢洲開催にこだわりつづけてきたのが、大阪維新の会です。万博の理念に共感し、成功のために努力してきた人たちをも裏切りかねない形で、強行のツケが噴出しています。
東京民報2025年4月20日号より







