読書 今月の本棚と話題】真実を貫いた科学者の生涯 『気象学者増田善信 信念に生きた一〇一年』 小山美砂 著〈2025年12月21日号〉

 今年、101歳で死去された気象学者・増田善信の一世紀にわたる生涯を著者がまとめたのが本書です。善信は戦前、海軍少尉として気象に関わり、戦争に協力。戦後はその反省から反戦・平和を訴え続けてきました。

 終戦後、気象庁の気象研究所で研究者としての人生を歩み出し、労働組合にも加わりました。しかし右翼的考えが残っており、「労働組合は怠け者をつくる」と考えていました。

本の泉社 2025年
2200円(税込)
こやま・みさ 1994年生まれ。毎日新聞社記者を経て、2023年からフリー。『「黒い雨」訴訟』で第66回JCJ(日本ジャナーリスト会議)賞

 そんなある日、「首切り反対集会」で、50歳を過ぎた大人が涙を流して頼む姿を見て、真実は何かを考えるようになり、戦前の日本で侵略戦争や小作制度に命がけで闘った日本共産党を知り、入党しました。労働組合委員長も歴任、労働者の要求を実現するために大奮闘しています。

 科学者としての研究にも変化が生まれ、アメリカの水爆実験による「第五福竜丸事件」が起き、「核の冬」研究の先駆けとなり、さらに、「黒い雨」研究に携わりました。本書を読んで感動したのは、戦後調査より広い範囲に「黒い雨」が及んだとする「増田雨域」を発表するに至った経緯です。

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