〈一分9月6日号〉7年8カ月にわたり、首相を務めた安倍晋三氏が8月28日、任期途中での辞任を表明しました…
- 2020/8/31
- コラム・オピニオン
7年8カ月にわたり、首相を務めた安倍晋三氏が8月28日、任期途中での辞任を表明しました。直接に理由にあげたのは、持病の悪化ですが、内政、外交のさまざまな分野で政権運営が深刻な行き詰まりに陥るなかでの辞任表明です▼金看板であったはずの経済政策アベノミクスには、辞任会見でほとんど言及しませんでした。アベノミクスの目標達成は、ずっと「道半ば」と言い続け、大企業は政府と日銀が演出した株高で大もうけしても、庶民には景気回復の実感など、ほど遠いままでした▼コロナ対応をめぐっても、マスク配布や相次ぐ自粛要請など、思いつきのような政策を打ち出すばかり。無症状者からの感染を抑える抜本的な検査拡充や、業務が集中する保健所の体制強化、医療機関への実効性のある支援など、肝心の対策は遅々として進んでいません▼マスコミ報道は、長期政権の功罪の検証よりも、次の首相候補に関心が移っています。そこであがる名前は、いずれも、安倍政権の看板政策で閣僚を務めたり、政権運営の中枢を担ってきた人たちばかりです▼いま求められるのは、行き詰まった「安倍政治」に代わる、新たな政治のあり方です。市民と野党の共闘で政治を変える、新たな旗印が求められています。
(東京民報2020年9月6日号より)