コロナ禍 子どもたちに寄り添いたい 少人数学級を今すぐに 寄稿 教育の現場から〈9月27日号より〉

 コロナ禍のもと、子どもたち一人ひとりの学びを保障する社会をつくろうと、少人数学級実現を求める運動が都内各地に広がっています。学校現場で感じる少人数学級の必要性を、現職の小学校教員に寄稿してもらいました。

 私の勤める小学校では、6月からの最初の2週間は、一クラスを2つや3つに分けての分散登校でした。6月15日の週から、都内の多くの学校で再び40人学級に戻りました。

 一教室にただ座っているだけでも子ども同士の距離は近くならざるを得ないので、「学校現場は、『ソーシャルディスタンス』がとれなくても構わない」という意味なのかなと、感じざるを得ませんでした。

 それに加えて、「学習指導要領」に書いてある、「年間、授業時間はこれだけやるように」という「授業時数」を、今年度も100%達成するよう、各学校に指導した自治体もありました。

コロナ禍のもと、子どもたちが生き生きとして学べる社会に(本文とは関係ありません)

 4、5月と授業ができなかった分、小学校でも▽7時間目の授業の導入▽朝登校してすぐの時間も授業時間に▽夏休みを大幅にカット▽土曜授業を月2回にして月曜の振休は設けない―といった対応を行いました。

我慢する子どもが

 これらの最大の被害者となったのは、やはり子どもたちです。とくにその中でも現状では、「課題を抱えている」と言われる子どもたちです。

 土曜授業のときや土曜授業があった翌週などは、低学年の課題のある子どもたちは、座っていられずに教室から出てくることが多くなりました。また、「不登校傾向」をもともと示していた子どもたちは、夏休み明けの8月末から9月初旬にかけて、なかなか学校に通うことが難しくなってきています。

 そして大きな懸念は、こんな中でも頑張って我慢をしてしまっている、大勢の子どもたちです。意識するにせよしないにせよ、「自分がかかるかもしれない」「家族や友達がかかるかもしれない」「いろいろなことがこのまま続いていかないかもしれない」といった不安の中で、私たちも子どもたちも生活をしています。

 本当はその不安な気持ちをたっぷり学校でも受け止めてもらい、お互いにその気持ちを何らかの形で表出しあい、支え合う関係を作ることが必要なはずでした。しかし授業時間数と授業の詰め込みが引き続き行われ、40人学級で一人ひとりの声を丁寧に聞いてあげることが困難な状況が何も改善されないまま、この9月にいたっています。

思いを大切にして

 「子ども時代」や「そのときの思いや願い」を大切にされなかった子どもたちは、その後「発達の歪み」として、様々な姿を見せるようになります。それはわかりやすい形での大人への反発かもしれませんし、もっと大人には見えにくい形での歪み方になるかもしれません。

 子どもたちの声を、きちんと聞いてあげないといけないと思うのです。そのためには、現在の40人学級では、どれだけスーパーマンな教員があがいたところで、無理な話です。子どもたち一人ひとりにちゃんと寄り添い、その思いや願いを聞き取り、健全な発達に資する仕事を私たち教職員にさせてほしい。そのために、20人学級など、より少人数な学級編成にすぐにでも足を踏み出す必要があると思っています。(鈴木大樹、都内小学校教員)

少人数学級をめぐる動き

 コロナ感染拡大のもと、学校での三密を避けるとともに、子ども一人ひとりに豊かな学びを保障しようと、少人数学級を求める声が広がっています。

 全国知事会・全国市長会・全国町村会の3会長が政府に要請したほか、全国4つの校長会、研究者らからも声が上がっています。都内各地でも、署名活動が取り組まれています。

(東京民報2020年9月27日号より)

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