コンビナートが大火災に 新ルート訴訟 東京地裁で初の弁論〈10月11日号より〉
- 2020/10/4
- 羽田新ルート
羽田新ルート下の住民が危険にさらされているとして、同ルートの取り消しを国に求めた訴訟の第1回口頭弁論が9月28日、東京地裁で開かれました。
訴訟は今年6月、川崎石油コンビナート上空の飛行をめぐって、「行政の裁量権を逸脱している」として、2点をあげて提訴したもの。一点は、新ルートの実施のため、コンビナート上空の飛行制限を解除した東京航空局長の通知(昨年12月16日)。もう1点は、国交相が定めた南風時の離陸経路が住民の生命、健康を害することを挙げています。

弁論では、川崎コンビナートで勤務経験のある原告らが陳述。支援者など約100人が集まった報告集会で原告の一人は「石油コンビナートは、大量の危険物や毒性物質がパイプラインでつながれている。コンビナートの地震の対策はあるが、空からの対策がない。落下物がパイプに当たれば、静電気火災の危険がある。火が付いたら消火できない大火災に。室蘭港の火災は28日間燃え続けた。バードストライクによる墜落を考えると身の毛がよだつ。コンビナート上空を離着陸に使う空港は世界に皆無」と訴えました。
渋谷区在住の男性は「渋谷区議会は運用が始まった今年、被害を実感し、再度再考を求める決議を全会一致で議決した。町会長も過半数が新ルート運用中止を求める署名に名前を連ねている」などとのべ、裁判所の公正な判断を求めました。
(東京民報2020年10月11日号より)