子どもたちに学ぶ権利を 東京教育集会 コロナ禍の課題語り合う〈2月14日号より〉

 「子どもたちに平和で民主的な社会を手渡すために、声をあげよう!『憲法を生かした教育を』」をテーマに、東京教育集会が6日、国分寺市で行われました。新型コロナウイルス感染症対策として会場の参加人数を絞り、インターネットで同時配信。山積する教育の課題や活動の報告を、参加者らが語りました。

 同実行委員長の富永由紀子弁護士は開会のあいさつで、コロナ禍で露呈した教育格差を指摘。「急な一斉休校で子どもの給食がなくなった。食費がかさみ、十分に食べさせられない」「オンラインの教材を紹介されたが、パソコンがない」など、シングルマザーたちの悲鳴を伝えました。

「地域東京で子育て教育の根っこを太らせる」をテーマに講演する和光大学の梅原利夫名誉教授=6日、国分寺市

 和光大学の梅原利夫名誉教授が、演題「地域東京で子育て教育の根っこを太らせる」をテーマに講演。子育て・教育を大木に例え、「大木を支えるには、根っこを太らせる2つの栄養が不可欠」として、「教育環境の整備」と「子育て・教育に対する考え方の深化」をあげました。

 日本は教育への公的支出がOECD(経済協力開発機構)内で最低レベルであること、テスト漬けの排他的競争・序列化の問題、少人数学級の必要性などを関連付けて説明しました。

 昨年2月に一斉休校が要請された翌朝、小学6年生の子どもが教室の黒板に「違憲!教育を受ける権利が侵害されている」と書いた事例を紹介。「憲法の精神を自分のものとして声を上げる生徒がいることに誇りを持つ一方で、大人は何をしていたのか」と、口調を強める場面もありました。

互いの違い受け入れて

 リレートークでは、障害児教育やLGBTQ(性的少数者)、日の丸・君が代、朝鮮学校、教科書問題などについて9人が発言。

 立川定時制の廃校に反対する会の女性は、小山台高校と立川高校の夜間定時制の生徒募集が、22年まで延長されたと報告。「廃校計画が中止になるまで諦めない」と熱弁しました。

 東京都障害児学校教職員組合のメンバーは、4月から八丈町に特別支援学校の分教室が設置されること、特別支援学校の設置基準が策定に向けて動き出したことを発表。「我々が望む設置基準案の実現を目指す」と意気込みました。

 一橋大学大学院修士課程の男性は、LGBTQへの差別や偏見を、事例を挙げて問題提起。憲法第十四条の平等原則に立ち返り、人権に関する議論を教育の場で行うことを求めました。

 朝鮮第一初中級学校の校長は、コロナ禍で表面化された朝鮮学校への差別について言及。「埼玉市では朝鮮幼稚園にだけマスクを配布しなかった。東京都は困窮する大学生に対して学生支援緊急給付金を支給するが、朝鮮大学校は給付対象外」と冷酷な状況を語ります。

 武蔵村山市の教育と文化を育てる会のメンバーは、侵略戦争を美化し、憲法を敵視する育鵬社の教科書を、不採択にすることができたと報告。「9年間の長い闘いの成果だ」と、喜びの声を上げました。

 新婦人東京都本部の佐久間千絵さんが、「国や都が進める管理・統制の教育ではなく、子どもたちが自由に考えて意思表示を行い、互いの違いを受け入れ、多くの人とともに生きていくことを学ぶ教育を取り戻そう」とアピール提案。会場一同が賛同しました。

 同実行委員会の石山久男事務局長が終わりの言葉を述べ、参加者らの連帯や声を上げることの必要性を確認。「子どもたちの学び、成長する権利、健康に生きていく権利を保障するため、子育てや教育をめぐる運動を進めていこう」と呼びかけました。

(東京民報2021年2月14日号より)

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