森氏女性蔑視発言 「不適切」も辞任は求めず 都議会オリパラ委 あぜ上氏が追及〈2月14日号より〉

 東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長が「女性がたくさん入っている理事会は時間がかかる」などと女性蔑視発言をしたことについて、5日の都議会オリンピック・パラリンピック推進対策特別委員会で、日本共産党の、あぜ上三和子都議は「決して許されるものではない」とのべ、森会長の辞任を求めるよう都に強く迫りました。

 あぜ上都議が、この問題を巡って「五輪憲章に反する発言との認識はあるのか」とただしたのに対し、オリンピック・パラリンピック準備局の中村倫治局長は「不適切な発言であった」との認識を示しました。一方、都側は「森会長は発言を撤回すると述べている。引き続き大会に向けた準備を関係者と適切に進める」とし、辞任を求める考えがないことを明確にしました。

あぜ上都議

 あぜ上都議は「辞任を求めるかどうかは、東京都の五輪憲章、ジェンダー平等に対する姿勢が問われる問題だ」と、厳しく追及しました。

 他会派の都議からも「女性蔑視と受け止められても仕方がなく、極めて深刻な問題だ」(都民ファーストの会)、「憤りを覚えない人はいない」(公明党)など、批判が相次ぎました。

 あぜ上氏はまた、日本共産党都議団が1月、今夏の五輪開催について「中止し、コロナ対策に集中すべきだ」と、都知事に申し入れたことに触れ、医療体制がひっ迫するもとで、「医療体制で1万人の医療スタッフが確保できるとしている具体的な根拠は何か」とただしました。

 都は「医師会や専門家の意見を聞きながら、感染状況や地域医療への影響等を踏まえ調整を進めている」と述べるにとどまり、具体的な根拠を示すことはできませんでした。

 あぜ上都議は、さらに五輪延期にともなう都の負担が1200億円、新年度予算案では五輪経費として4224億円が計上され、さらに膨らむ可能性があることを指摘。

 いま都民が願っているのは「都がコロナ危機に集中して総力をあげて、一日も早くコロナ危機から抜け出して安心して暮らせて、今年の夏の大会は無理でも心から平和とスポーツの五輪大会を世界の人たちと共有できるようにしてほしい」ということだと強調。「この願いに応えることこそ開催都市としての英断」とのべ、専門家やアスリートの意見も聞きながら、大会中止に向けて関係団体と開かれた場で協議を行うよう求めました。

(東京民報2021年2月14日号より)

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