厚生労働省は14日、4月から65歳以上の高齢者が支払う介護保険料月額が全国平均6014円となり、初めて6000円を超えたと発表しました。制度が始まった2000年度は2911円で、約20年間で倍以上の負担増です。厚労省は25年度の保険料を6850円との推計を公表。75歳以上の健康保険料の2倍化など、社会保障費の負担増は耐えがたいものになっています。
65歳以上の介護保険料は、市区町村と広域連合ごとに決まり、3年に一度見直します。今回は2021~23年度(第8期)3年間の保険料となります。
東京の平均月額も6080円と、初めて6000円を超え、2000年度(第1期)の3056円から2倍以上に。3年前の5911円より169円(2・9%)の値上げとなっています。
最高は青ヶ島9800円
区市町村別では、62区市町村中41自治体が値上げしました。区部の平均月額は6164円、市部は5813円、島しょを除く町村は6433円、島しょ部は6350円。
最も値上げ幅が大きかったのは、島しょの青ヶ島村の1100円(12・6%)で、月額保険料は都内最高の9800円になりました。値上げ額が最も大きかったのは、区部では品川、荒川、江戸川が各500円、市部では日野市が635円、島以外の町村では檜原村が1600円の値上げとなっています。
保険料が最も高いのは、区部では足立区で180円(2・7%)増の、6760円、市部では昭島市が230円(3・8%)増の6280円です。
引き下げ3区1市
一方、引き下げたのは墨田、目黒、世田谷の3区と西東京市の4自治体。据え置いたのも17自治体ありました(表)。
介護保険制度は、高齢化で介護が必要になる人が増えるほど保険料が上がる仕組みです。公費負担を増やさなければ、厚労省が試算するように、今後も際限なく上がります。
日本共産党は、保険料を決める区市町村議会で、コロナ禍で経済状況がより厳しい中、これ以上高齢者に負担増を押しつけるべきではないと、介護保険準備基金の活用や、独自の負担軽減など、具体策も示して値上げ反対の論戦を展開。
同時に介護サービス内容の拡充や利用料の軽減、介護職員の待遇改善なども求めています。こうした中、保険料を据え置いたり、値下げする自治体も生まれています。
【東京民報2021年5月23日号より】