東京 原爆被害者追悼のつどい 76年前思い核兵器廃絶を〈10月10日号より〉

 夏を思わせる暑さと日差しが降り注いだ3日、原爆犠牲者追悼のつどいがテクノプラザかつしか(葛飾区)で開催されました。例年、広島・長崎の原爆投下の日に合わせて行いますが、新型コロナウイルス感染症のまん延に伴いこの時期の開催になりました。

 1961年8月の第1回追悼のつどいから60年、国連の核拡散防止条約発効の年の開催となりました。つどいに先立ち青戸平和公園内にある慰霊碑前での献花式から「核兵器廃絶」への願いを参加者が語りました。

 つどいには小池百合子都知事からのビデオメッセージの他、一般社団法人東友会(東京在住の被爆者団体)の家島昌志・代表理事、広島、長崎両市長(代読)などの追悼の言葉が寄せられました。日本共産党の笠井亮衆院議員、和泉なおみ都議も参列し献花しました。

追悼のつどいに先立ち献花式にのぞむ笠井氏(左から2人目)ら参加者=3日、葛飾区

 生後8カ月で被爆し母を失った熊田育郎さんが自身の体験を映像に合わせて語り、核兵器の恐ろしさと未だ健康をむしばみ続ける影響を語りました。

 原爆犠牲者も高齢化しており、今年亡くなった方は236人。原爆犠牲者名簿に新たに登載された犠牲者は288人、総数は8405人になりました。被爆者の体験を自らの記録として発言できる人が少なくなってきています。「日本政府は核拡散防止条約の批准に背を向けてはならない」と訴える被爆者の声が重く響きました。

(東京民報10月10日号より)

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