【アーカイブ】核兵器廃絶は人類の喫緊課題 学生らが笠井議員に面会 禁止条約の日本批准求め〈9月26日号より〉

 核兵器のない世界を願う首都圏に住む大学生が国会議員と会い、日本政府が署名を拒否し続けている核兵器禁止条約についての考え方を直接聞く「首都圏議員面会プロジェクト」のメンバー4人が14日、日本共産党の笠井亮衆院議員と衆院第2議員会館で面会しました。

懇談する(左から)本間、徳田、笠井、内藤、高橋の各氏=14日、千代田区

 同プロジェクトは今年5月からスタート。核兵器の問題を、被爆地にルーツがなくても考えてもらうきっかけになってほしい、核兵器廃絶をめぐる議員の活動を加速させたいという思いから、運動を始めました。衆院選が目前に迫るタイミングでもあり、数人の少ないメンバーが手分けして、東京で選出された41人の衆院議員に手紙を送り、電話をかけ、面会の約束を取り付けています。

4つの質問に答えて

 笠井事務所を訪れたのは、内藤百合子、徳田悠希、本間のどか、高橋悠太の4人。メンバーは笠井氏に①核兵器の廃絶を目指すべきだと思うか②核兵器禁止条約が発効したが、議員個人として核兵器禁止条約に賛同するか③日本は核兵器禁止条約を批准すべきか④どのような条件のもとなら、日本は核兵器禁止条約に署名・批准することができるか。また、署名・批准に至らない障壁はなにか―の4つを質問。笠井氏は母が14歳の時に広島で入市被爆したこと、自身が被爆2世であることなどを説明しつつ、「核兵器廃絶は当然目指すべきで、人類にとっての死活的緊急課題。私のライフワーク」と語りました。

 核禁止条約への賛同について、「核抑止力の議論があるが、いざというときに使うというのが前提になっている。日本政府がアメリカの核の傘にしがみついているのが、核禁止条約に署名しない最大の理由で、それはおかしい」と発言。「日本は核兵器の被害を初めて受け、戦争で多くの人が犠牲になった。だからこそ憲法9条がある。憲法9条を生かし、外交の舞台で平和的解決を最前線に立って先導しなければいけない」と訴えました。

 メンバーから、野党の共通政策に核兵器禁止条約への批准が盛り込まれていることに関する質問も出され、笠井氏は「野党の中でも濃淡はあるが、まずは国民に対して一致点を示すべき」と課題に触れました。

被爆者を二度と生まないと、繰り返し

 質疑が終わると笠井氏は、ICAN(核兵器廃絶国際キャンペーン)が各国議員を対象に賛同を呼びかけている誓約書にサインしました。

 面会後メンバーは笠井氏との対談を振り返り、「核兵器に対する考えが、私たちに一番近く、核兵器に対する思いを自分の言葉で語ってくれた。4人目の面会でしたが、とても新鮮だった」と感想を述べました。

 翌15日、メンバーはインスタライブ(ネット上で生配信ができるサービス)で、笠井氏との懇談、これまでに面会できた議員との会話も回顧し、ざっくばらんに感想を言い合いました。

 「同じ国会議員でも大きく違うと実感した。笠井さんは、国会で強く訴えていかねばと言っていた。率直に励まされた」「被爆者はもう二度と生んではいけないと繰り返していたのが印象に残った」など、様々な意見が飛び交いました。

 同プロジェクトの活動に関しても感想が出され、「18歳になり、この秋の衆院選が初めての選挙。政治が自分の身近にあり、生活に関わっていることが感じられたのはすごくよい経験」「私たちの活動は、政治を動かしていく可能性があり、議員にとってもプレッシャーになると思う。大事なことなので続けていきたい」など、核兵器廃絶のための強い使命感を示しました。

(東京民報2021年9月26日号より)

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