東京地裁 工事一部差し止め命じる 東京外環道の「陥没」付近〈2022年3月6日号〉

調布市東つつじヶ丘の市道に生じた、幅5㍍、深さ5㍍ほどの陥没=2020年10月18日

 東京地裁は2月28日、住民らの「東京外環道の大深度地下トンネル工事の差し止めを求める仮処分」について、「違法性がある」などとして一部工事の差し止めを命じる決定をしました。対象は、東名高速道路から関越自動車道に向かう北行きの2本の一部(調布市の陥没事故付近)で、関越自動車道大泉インターチェンジから南下する工事などは対象外です。

 東京外環道沿線の住民らは2020年5月、国やNEXCO東・中日本ら事業者に対し、工事の差し止めを求めて東京地裁に提訴。その後、同年10月には調布市東つつじヶ丘でトンネル工事を原因とする陥没事故が発生し、複数の巨大地下空洞が発見されていました。

 事業者は事故により工事を一時中止していましたが、工事再開に向けて準備をしていたところです。

 東京地裁は工事差し止めにあたり、「再発防止策が示されていない」とも指摘しています

外環道 地盤改良で住宅解体強行 住民の抗議を受け延期

 東京外環道の地下トンネル工事現場の調布市東つつじヶ丘付近で2020年10月、地表陥没事故などを発生させたにもかかわらず、NEXCO東日本は工事再開の準備を着々と進めてきました。

 NEXCO東日本は当該地域の家屋を立ち退かせた上で、コンクリートなどによる地盤改良を行うと公表。2月25日、家屋解体工事に着手するとしていました。現場には、じん肺症の原因とされる石綿(アスベスト)が一部使用されているとの告知も貼られ住民の不安は高まっていました。

 解体工事に先立ち、外環被害連絡会・調布は▽生活している横での安易な解体工事は認められない▽防犯を急ぐなら住民と協議を▽安全の根拠を示さない解体は危険▽工事計画を示さない工事は法違反の可能性がある―などの声明を公表しました。また、調布市長も「住民の意見を踏まえて法令準拠、モニタリングなどを通じて環境に配慮」するよう要請しました。

 当日、住民は早朝より見守り活動を展開。NEXCO東日本は住民の抗議を受けて、一時工事を中止するとともに、話し合いをすることになりました。

〈東京民報2022年3月6日号より〉

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