多摩地域の水道水源として使われていた井戸水から人体に有害な有機フッ素化合物(PFAS)が広範に見つかっている問題をめぐり、住民による自主的な血液検査の取り組みで、これまでに分析を終えた551人分の中間結果が15日、公表されました。
検査に取り組むのは「多摩地域のPFAS汚染を明らかにする会」。調査対象は28自治体に住む19歳から91歳です。一部に検出限界以下の数値があった1人を除き、ほぼすべての人からPFASを検出しました。代表的な物質の一つPFOSでの全参加者の平均は1ミリリットルあたり11.1ナノグラムで、2021年の環境省の全国調査3.9ナノグラムの2.8倍でした。同じく代表的な物質PFOAでは4.0ナノグラムで、全国平均2.2ナノグラムの1.8倍でした。
10人以上の検査参加者があったのは、16市町。検査した4種類のPFASの合計値で、血中濃度が最も高かったのは国分寺市の44.9ナノグラムでした。立川の29.0ナノグラムが続き、府中市、小平市、国立市、調布市、あきる野市と続きます(表)。

汚染源の一つとして、PFASを含む泡消火剤を大量に使用してきた米軍横田基地が有力で、地下水の流れにそって汚染が広がった可能性があります。
会は、5月末にも650人分の最終結果を発表する予定です。
東京民報2023年5月21日号より