横田基地 今年1月もPFAS漏出 共産党都議団 全容解明へ都が対応を〈2023年11月19日号〉

 米軍横田基地(福生市など)で、発がん性などが指摘される高濃度の有機フッ素化合物(PFAS)が今年1月に漏れていたと報じられた問題で日本共産党都議団は9日、小池百合子都知事あてに全容解明に向けて国や米軍への速やかな対応を申し入れました。

中村副知事(中央)に申し入れ書を手渡す尾崎都議ら=9日、都庁

立ち入り調査の実施求める

 ▽都として国と米軍に直接聞き取りし、資料の提出を求めることや事故の全容を明らかにすること▽都による横田基地への立ち入り調査を行えるよう国と米軍に求めること-の2項目。

 沖縄タイムス(11月3日付)の報道によれば、事故は1月25、26両日に起き、消火用のスプリンクラー設備の部品が凍結によって破損し、内部のPFAS汚染水が計760リットル漏れ出し、側溝にも流れ込んだとされます。1リットルあたりの濃度は272万ナノグラムで、日本の暫定指針値の5万4400倍でした。

 共産党都議団はこの報道を受けて6日、都の都市整備局に口頭で申し入れ。都はその後、北関東防衛局長・横田防衛事務所長あてに口頭で「速やかに情報提供を求める」と申し入れました。

 申し入れで尾崎あや子都議は「これでは不十分だ」と指摘。米軍は事故後、側溝からの水が基地西部の福生市側に出る排水出口を吸収材でふさいだと報道されていることについて、「本当にふさぎきれたのか強い疑問が残る」「事故現場は、民間地の境界から100メートルしか離れておらず、なぜ公表しなかったのか。到底許されるものではない」と批判。基地外への流出量も明らかにするよう求めました。

 応対した中村倫治副知事は「漏出があったのか、はっきりさせることが大事だ。重大な課題と認識している」と答えました。

宮本氏が横田基地を視察 漏出事故の情報伝えよ

在日米軍司令部関係者と懇談した宮本議員(中央)、右がモーガン氏=9日、米軍横田基地

 この問題を巡っては、日本共産党の宮本徹衆院議員が9日、米軍横田基地に入り、在日米軍司令部のモーガン軍外交担当、ニックカールトン環境課長らと意見を交わしました。国会の委員派遣を除き日本共産党国会議員が同基地に入るのは初めてです。

 宮本議員は市民団体による自主的な血液検査で高濃度のPFASが検出されるなど不安が高まっていることや、横田基地でPFASを含む泡消火剤を用いた訓練が行われ、漏出事故も明らかになっていることから、同基地が汚染源の一つとの懸念が広がっていると指摘し、同基地が汚染源の一つであると認めるか認識を聞きました。その上で、米本国では環境保護庁(EPA)が汚染源の浄化を求めていることを示して、対策を行うよう求めました。

 さらに、泡消火剤の漏出事故について住民はマスコミ報道で初めて知るのが現状であり、日米の取り決めを超えて必要な情報を伝えることや、過去に行われた泡消火剤による消火訓練の記録を示すこと、訓練箇所周辺の土壌調査、沖縄タイムスが今年1月にも泡消火剤が漏出していたと報道したことについての事実関係の説明、日本政府や自治体から立ち入り調査の要請があれば、積極的に応じてほしいことなどを求めました。  

 同基地の視察と意見交換は、宮本議員と山添拓参院議員が求めていたもので、山添議員はこの日、参院外交防衛委員会の審議と重なり参加できませんでした。山添議員は委員会質疑で宮本議員が基地に立ち入ったことを紹介し、「防衛庁や環境省こそ、より主体的に動くべきだ」と主張しました。

東京民報2023年11月19日号より

関連記事

最近の記事

  1. インスタライブで語り合うeriさん(左)と田村さん=4月18日  日本共産党の田村智子委員長…
  2.  めぐろ被災者を支援する会は6月30日まで、控訴費用などを求めるクラウドファンディングを行っていま…
  3. 共同街宣で酒井候補らと共に訴える田村氏=4月16日、江東区  公職選挙法違反事件(買収等)で…
  4.  目黒区長選は4月21日投開票され、「みんなの目黒区長をつくる会」の前都議、西崎翔(つばさ)氏(4…
  5. 1面2面3面4面5面6面 【1面】 余暇と遊びは基本的権利 子どもの権利条約 批准から3…

インスタグラム開設しました!

 

東京民報のインスタグラムを開設しました。
ぜひ、フォローをお願いします!

@tokyominpo

Instagram

#東京民報 12月10日号4面は「東京で楽しむ星の話」。今年の #ふたご座流星群 は、8年に一度の好条件といいます。
#横田基地 に所属する特殊作戦機CV22オスプレイが11月29日午後、鹿児島県の屋久島沖で墜落しました。#オスプレイ が死亡を伴う事故を起こしたのは、日本国内では初めて。住民団体からは「私たちの頭上を飛ぶなど、とんでもない」との声が上がっています。
老舗パチンコメーカーの株式会社西陣が、従業員が救済を申し立てた東京都労働委員会(#都労委)の審問期日の12月20日に依願退職に応じない者を解雇するとの通知を送付しました。労働組合は「寒空の中、放り出すのか」として不当解雇撤回の救済を申し立てました。
「汚染が #横田基地 から流出したことは明らかだ」―都議会公営企業会計決算委で、#斉藤まりこ 都議(#日本共産党)は、都の研究所の過去の調査などをもとに、横田基地が #PFAS の主要な汚染源だと明らかにし、都に立ち入り調査を求めました。【12月3日号掲載】
東京都教育委員会が #立川高校 の夜間定時制の生徒募集を2025年度に停止する方針を打ち出したことを受けて、「#立川高校定時制の廃校に反対する会」「立川高等学校芙蓉会」(定時制同窓会)などは11月24日、JR立川駅前(立川市)で、方針撤回を求める宣伝を21人が参加して行いました。
「(知事選を前に)税金を原資に、町会・自治会を使って知事の宣伝をしているのは明らかだ」―13日の決算特別委員会で、#日本共産党 の #原田あきら 都議は、#小池百合子 知事の顔写真と名前、メッセージを掲載した都の防災啓発チラシについて追及しました。
ページ上部へ戻る