労働時間短縮の実証実験を 米倉春奈都議が一般質問〈2023年12月24日号〉

 都議会本会議の一般質問が13日行われ、日本共産党から米倉春奈都議が立ち、目先の利益を優先した資本主義の矛盾が現れた問題として、人間らしい働き方と気候危機対策について質疑。五輪談合について、公判で電通が都元財務局長も指示していたと主張していることに触れ、調査を要求しました。

一般質問に立つ米倉都議=13日、都議会

 米倉都議は、日本共産党は101年前に結党した時から8時間労働を掲げ、労働時間の短縮を求めてきたとし、「世界の流れは労働時間の短縮だ」と強調。実証実験の結果を受けて同じ給与のまま労働時間を短縮しているアイスランドの事例を紹介しました。

 「長時間労働が最も深刻なのは、東京をはじめ首都圏」だと指摘。「労働時間の短縮は、男女ともに生活時間を取り戻し、ジェンダー平等、ウエルビーイング(継続性のある幸福)も実現する」と指摘。アイスランドのような実証実験と効果の検証を提案しました。

 横山英樹生活文化スポーツ局長は「長時間労働を前提とした働き方を見直すことは、生活を充実させるための時間を創出し、男女が共に自分らしい生き方を選択できる社会の実現にもつながる」との認識を示しました。

住宅の省エネ化 水準引き上げを

 米倉都議は気候危機対策で根本的に問われているのは、「目先の利益を優先する資本主義のシステム。同時に今、最大の努力が求められている」とし、エネルギーの最大の消費地、東京で進めるべき対策の柱の一つとして、住宅の省エネ・断熱化を挙げました。

 東京のCO2排出は3割が住宅で、今後毎年4万6千棟が新築され、2050年にも使われます。米倉都議は視察した鳥取県の「とっとり健康省エネ住宅性能基準、ネスト」を紹介。住民や工務店が高断熱・高気密の家を造れるよう、県が独自作成した基準です。県と工務店の連携で、すでに県内の新築住宅の3割がネスト基準です。

 米倉都議は鳥取県の取り組みを具体的に示し、都が推進する東京ゼロエミ住宅の水準を少なくとも欧米と同レベルに引き上げることや、機密性能を位置付けること、住宅の断熱・省エネ化計画について目標を定めて取り組むことを提案。

 さらに都営住宅について、少なくともゼロエミ住宅の水準で整備することや、既存の都営住宅も断熱・省エネ改修を計画的に行い、断熱効果の高い木製の窓枠を多摩産材を活用して設置することを提案しました。

 また、区部に比べ取り組みが遅れている市町村に、各分野の専門家紹介や職員派遣、都と区市町村が密に連携し、対策を進めるための共同の場の設置を提起しました。

 小池百合子知事は気候変動対策について「都内エネルギー消費量の約3割を占める家庭部門への対策は重要」「住宅の断熱、省エネ性能の向上は、エネルギーの消費を減らし、CO2削減につながる」と答弁。栗岡祥一環境局長は「専門家等の意見を踏まえ、断熱、省エネ性能に関する基準の引上げなどを検討している」と答えました。

東京民報2023年12月24日号より

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