年末恒例の今年の漢字が「税」に決まりました▼一年を通して、軍事費倍加に向けた増税論議が続いたことに加え、インボイス制度の導入に大きな反対の声が広がったことも、選出の一因でしょう。フリーランスや小規模事業者など、幅広い業種の人たちへの実質増税となることに加えて、膨大な事務負担をもたらすことにもつながります▼税や公金をめぐる、国民の意識が高まる中で、国政を揺るがしているのが、自民党の各派閥による組織的な裏金づくりです。政治資金パーティーで、各議員がノルマを超えてパーティー券を販売した分を、政治資金収支報告書に記載せず、議員側にキックバックしていたといいます。各派閥に裏金疑惑が広がり、その金額も数億円規模に膨れ上がっています▼政治資金パーティー自体が、個人への企業・団体献金を禁止する流れの中で、「対価を徴収して行う催物」の名目で、抜け道の献金ルートとなってきたものです。さらに、会場に入りきらない枚数のチケットを販売し、実質的な献金そのものとして資金を集めた実態が次々と明らかになっています▼「自分たちには増税、自民党の政治家は裏金か」―庶民の怒りの声です。パーティー券購入も含めた企業・団体献金の全面禁止が求められます。
東京民報2023年12月24日号より