五輪を貧困打開の跳躍台に
定例会では築地市場跡地の活用方針「築地まちづくり方針」が重要な論点になりました。小池百合子知事は、「築地は守る」「市場機能を確保する」と約束していたのに、同方針からはその約束は消え、「築地に都として卸売市場を整備することはない」と明記しました。
藤田都議は討論で「知事の公約違反がいっそう明確になった」と指摘。まちづくり方針素案に対する都民のパブリックコメントに寄せられた公募意見202件中、知事の公約違反への批判や、市場整備を求める声が70件以上寄せられたのに、知事が都民の声を受け止める姿勢を示さなかったと厳しく批判しました。
同方針について、国際会議場を中心とした都心一等地の再開発にすぎないとし、「民間企業の利益優先の再開発でなく、築地市場の歴史をしっかり引き継ぎ、都民と市場関係者、場外市場のみなさんから歓迎されるまちづくりを」と求めました。
共産党都議団は定例会で東京五輪・パラリンピックを「人間の尊厳の保持に重きを置く平和な社会に」を掲げるオリンピック憲章と「誰ひとり取り残さない」を合い言葉に、貧困の打開、不平等の是正を目標に掲げる国連SDGs(持続可能な開発目標)の実現に向けた跳躍台とすることを提案。そのことで都の対応の問題点が、浮き彫りになりました。
その一つが周辺公示価格より1200億円も値引きして都有地を大手デベロッパーに売り渡した選手村問題です。藤田都議は、都が都有地を選手村用地として大手デベロッパーに格安で売り渡し、五輪後に大多数の都民が手を出せない高級マンションとして販売することを批判。低家賃の住宅を整備するよう求めました。
五輪のバレーボール会場として整備した有明アリーナの五輪後25年間の運営権を、電通を代表とするグループ会社に94億円で売却するコンセッション方式の導入もそうです。共産党都議団だけが反対しました。
都が520億円もの財源を投じてつくった施設なのに、都立施設の位置づけがなく、運営内容などが議会にかかる仕組みもありません。契約終了後の大規模修繕は都の責任です。都が運営しても年間3・5億円、25年間で90億円の黒字が見込まれる施設なのにです。
藤田都議は「黒字が見込めるおいしいところは民間事業者に提供し、大規模修繕などは都の負担、こんな都民にとって割に合わない話はない」とのべ、都民の暮らし・福祉充実の中で東京五輪・パラリンピックを迎えることを求めました。
最終本会議では、豊洲市場内の黒い粉じんの調査、対策を求める請願は、共産党、生活者ネット以外の反対で否決されました。