JR東海のリニア中央新幹線(品川―名古屋)事業をめぐり、昨年10月14日から北品川工区(品川区)で「調査掘進」という名で進められている地下40㍍以深の大深度地下を巨大なシールドマシン(掘削機)で掘るトンネル工事の進捗状況について、品川区や大田区、世田谷区などの関係住民と日本共産党の山添拓参院議員は10日、衆議院第一議員会館で国土交通省に聞き取りました。
JR東海が昨年8月下旬から住民に対して行ったシールド掘進工事説明会では、今年3月末頃までに本掘進前の調査掘進を、北品川非常口の立坑から300㍍にわたり実施する予定でした。3月30日に更新されたJR東海の公式ホームページ「シールド掘進工事(調査掘進)の進捗状況」によると、50㍍程でとどまっている状況が判明。発進作業の着手から半年以上経過したのに、計画の6分の1しか進んでいない理由に関する質問がメーンになりました。
国交省の担当者は、「現在はシールドマシンの後ろに、運転操作室などを載せた台車を連結する作業を行っている。併せて、シールドマシンの点検を実施していると聞いている」と回答。リニア中央新幹線として初のシールドトンネル工事であることから、「丁寧に確認をしながら慎重に掘進を進めている」という説明にとどまりました。
山添氏が「(スケジュール通りに行われていないのは)想定外の事情が生じているわけではないのか」とただすも、国交省は同じ答弁を繰り返すばかりでした。