【 #Web東京民報 連載】東京わがまち⑬ お富士さんの植木市
- 2022/5/23
- WEB版連載
「1万5000円が1万円でいいよ、20年もかけて育てたサツキだよ、鹿沼で買ったら5万はするよ」。「お金なんかいらないよー、お札でいいよー」。一の富士2日目夕暮れ、活きのいい声が飛び交う。富士山の山開きに合わせて開かれるお富士さんの植木市。江戸時代から続く風物詩だ。
最盛時と比べ規模は縮小されたものの、都内最大の植木市に変わりはない。
ここで買った植木は根付きがいいと評判だ。植木市には沢山の屋台も並ぶ。昔、子どものころ出ていた、鈴虫屋さんの涼やかな虫の鳴き声が急によみがえってきた。お富士さんは毎年5月末と6月末の土日に開催。
写真・文 夏目安男
〈東京民報 2015年5月31日号より〉
※WEB版追記 写真家の夏目安男さんは2021年12月に亡くなりました。ご遺族の許可を得て、東京民報での連載「わがまち東京」をWeb版連載として掲載します