渋谷区で日夜、区民のために奮闘している日本共産党の議員が多忙な中で書き続けた14の短編小説集です。
議会でどう頑張ったかとか、困っている人々をどう助けたのかの実績・記録かと思いましたが、そうではありませんでした。
小説の登場人物は、家族、著者と関わりのあった人々。そうした人たちの人生を描いています。一人ひとりは、それぞれ長所も短所もあり、中には著者の善意を裏切った人(『消えた女』)も出てきます。
その一人ひとりの人生をきれいごととして描かず、ありのままにとらえ、その中で、「人間の尊さと愛しさ、かけがいのない」唯一無二の人生があることを見事にとらえています。