足立区 鈴木エイト氏が講演 統一協会と権力「監視今こそ」〈2023年3月26日号〉
- 2023/3/27
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世界平和統一家庭連合(旧統一協会)と政治家の接点を取材してきたジャーナリストの鈴木エイト氏による講演会「統一教会と政治の癒着」が17日、足立区内で開かれ、約100人が会場を埋めました。

主催した一般社団法人「下町未来のコミュニティ」の瀬田裕和理事長は、あいさつで「市民本位の政治とは何か模索してきた。統一協会の問題は単なる宗教問題ではない。政治との癒着があり、ここ足立区でもいっぱいある。こうした問題を明らかにする必要がある」と語りました。
鈴木氏は教団や政治家からの圧力にも屈せずに続けてきた取材活動について、ユーモアを交えて紹介。被害者の救済活動を続けていた鈴木氏が、政治家との関係を追うようになったきっかけが、足立区にあったことにも触れました。2011年のことでした。その後、社会問題となった、つぼや印鑑など様々な物品を高額で買わせる霊感商法の捜査に政治的圧力が加わったとみられる問題、安倍首相による統一協会の組織票の差配や、有力国会議員と教団との関係を追った取材について、様々な資料も示して語りました。
鈴木氏は安倍晋三首相(当時)が統一協会信者の家族に銃撃された事件について、「事件に発展しないうちに政治家に(統一協会との関係性に)気がついてほしかった」と語りました。
鈴木氏は犯人が事件を起こす引き金となった、2021年9月の統一協会系組織UPF大会で安倍元首相がビデオメッセージで出演し、教団トップを讃えたことについて、主要メディアは問題にしなかったと告発。安倍元首相自身も自分の政治生命、選挙、支持率には影響しないと高をくくり、メディアの反応も選挙結果も「その読み通りになった」と強調しました。
また教団と関係を持った政治家も、運動員やスタッフを派遣してくれる便利な存在といった程度の軽い認識だったのではないかと分析。一方、この16年間、メディアの監視が働かなくなったもとで「政治家と統一協会の汚れた関係が続いてきた」と述べました。
統一協会「幕引き許さず追及」
その関係性について鈴木氏は、統一協会が政治家を利用し、取り入ってきただけではなく、相互に利用し合い「共存・共栄」の関係を築いてきたと解説。「そこにメディアの監視機能が働かず、関係性がエスカレートした」と述べました。
鈴木氏は統一協会による被害を再び繰り返さないためには、幕引きを図りたい側を追及すべきだと強調。岸田文雄首相の「大事なのは未来に向かって関係を断つことだ。党の都道府県連に通知し徹底をはかっている」との発言をあげ、「これまでどのような関係であったかを、あいまいにする発言だ」と批判。実際、国会議員の秘書の中にいまだに信者がいるとみられることや、地方議員の中に現役2世信者や1世信者が存在し、僅差で勝敗が決する地方議員は教団の支援を必要としていると指摘しました。
東京民報2023年3月26日号より