防衛省は21日、横田基地周辺自治体への情報提供で、横田基地で2010年~12年にかけて起きた3件の有機フッ素化合物(PFAS)が入った泡消火剤の漏出事故の概要を説明しました。
防衛省は、2018年12月に漏出についての報道があったのを受け、米側から19年1月に報告書を入手していました。にもかかわらず、周辺自治体などからの再三の問合せにもかかわらず、情報を提供していませんでした。都と周辺自治体は5日の防衛省への要請文で、「発生からかなりの時間が経過しており、速やかに情報提供がなされなかったことは、基地周辺住民の不信感につながりかねず、極めて遺憾」と指摘していました。
防衛省から各自治体への今回の情報提供によると、判明した漏出事故は①2011年1月11日に、格納庫で約19~38リットル②2012年10月11日に倉庫で約97リットル③漏出時期不明で2012年11月29日に報告された横田消防署で約3030リットル-の3件。③については、タンクから薬剤が徐々に漏れ出て1年以上かけて漏出したとみられています。
米軍側は、②は吸着パッドで除去、③はコンクリート床の目地に吸収されたなど、いずれも基地外に流出したとは認識していないと説明しています。
また、2020年にも3件の漏出事故があったと報道されたことについては、消防車両からの漏出はあったものの、漏出したのはPFOS(PFASの一種)等を含まない水成膜泡消火薬剤だったと説明しています。
判明した漏出は、氷山の一角と指摘されているほか、横田基地内の井戸水は、米軍の調査で、すでにPFASによる汚染が判明しています。周辺住民からは、日本政府による横田基地への本格的な立ち入り調査を求める声が出ています。
東京民報2023年7月30日号より