「病院の再開と労働組合員の解雇撤回を」-一般社団法人厚生荘病院(小山泰成理事長・多摩市)が2021年12月31日に「建て替え」を理由に閉院し、退職に応じなかった10人の組合員を不当に解雇した問題などの解決を求めて2日、同法人を傘下とする湖山医療福祉グループ本部前で宣伝行動が行われました。
行動には組合員と支援者、地域住民らでつくる同病院で働く人たちと医療を守る会(守る会)などが参加しました。
「きれいに建て替わるならと、再開を心待ちにしている住民の気持ちに応えるのが医療従事者としての責務」との声にうなずく人の姿がありました。
同病院は多摩市和田地域で長年に渡り高齢者医療や病後児保育事業などを担っており、地域の医療・福祉の中核としてなくてはならない役割を果たしてきました。
しかし、3年前に湖山医療福祉グループが経営に参入したことにより、労働組合をないがしろにした一方的な就業規則変更をはじめ定期昇給のカットなどを強行。さらにはグループから派遣された事務局長(当時)によるパワハラやセクハラ、不正経理などの横行が発覚しました。
その後、改善はなく一方的な閉院と組合員の解雇などに至り、現在4つの裁判と東京都労働委員会に救済の申し立てが行われています。
病院閉鎖に伴い医療空白地域と化したために、地域住民らは守る会を結成し、病院の再開を求めて市に陳情を行うなどの住民運動も続いています。法人は今年1月に診療所を設置すると住民説明会を開きましたが、計画は頓挫しています。
東京民報2023年8月13日・8月20日合併号より