葛飾区の青木克徳区長が区の補助金を不正流用していた法人の理事長から寄付を受けていた問題を告発する「葛飾区政をただす会」(浅野正治代表)は、同法人が10年間で4億円を超える不正流用があったことが情報開示資料で新たに分かったとして、改めて青木区長に対し、2度目の公開質問状を提出し、説明責任を果たし、全容を明らかにするよう求めました。8日に開いた記者会見で明らかにしました。
ただす会が区長に質問状
この法人は「かつしか堀切保育園」を運営する社会福祉法人「葛飾会」。都選挙管理委員会が公表した2019~21年度の政治資金収支報告書によると、青木区長が代表を務める後援会が計130万円を受け取っていました。
ただす会の浅野代表は、7月26日に提出した公開質問状への青木区長の回答(7月26日付)について、1回目(7月20日付)と同様、献金は「法に則り処理している」としただけで、「具体的指摘に答えない不誠実なものだった」と批判しました。
その上で、青木区長が17年にもこの代表から15万円を受け取っていたこと、同保育園が17~21年度に保育園運営費6218万円余の公金を不正流用し、飲食や私的流用などに使われていたことをあげ、「公金を支出した葛飾区にも損害を与えた。法人代表に対して刑事告訴・告発を行い、真相究明と再発防止策を講じるべきだ。区長は事実を誠実に明らかにすべきだ」と訴えました。
青木区長は「葛飾会」理事長の他にも、区立学校の給食調理業務を受託している「藤江」の創業者や、区施設の改修工事を請け負っている「トーヨー建設」の代表者らからも献金を受け取っていました。公職選挙法は自治体と請負などの契約を結んだ当事者から、自治体の長の選挙に関しての寄付を禁止し、政治資金規正法は自治体から補助金などを受けた法人の政治活動に関する寄付を禁止しています。
浅野代表は「議会で調査特別委員会を設置するなど追及を期待している。会としての今後の対応は検討中だ」としました。会見には日本共産党の三小田准一、木村ひでこ両区議が同席しました。
東京民報2023年8月27日号より