杉並区 岸本区長が補正予算案 10月から給食無償化へ〈2023年9月17日号〉

 杉並区の岸本聡子区長は5日、学校給食費無償化や気候変動対策費などを盛り込んだ補正予算案を発表しました。区議会定例会(11日開会)に提案します。

記者会見する岸本区長=5日、杉並区

 給食費無償化は区立の全小中学校、特別支援学校の計64校、2万9500人が対象。10月から来年3月までの6カ月分、約9億4000万円を計上します。岸本区長は会見で「子育てを地域・社会全体で支えていくという視点に立ち、子育てにおける経済的負担軽減を図るため」としました。来年度以降については、本来は国が全国一律で実施すべきものとしつつ、「財政的なバランスも考えて慎重に検討する。(継続に向けて)最大の努力はする」と述べました。

 また現在3~5歳の第3子以降を無償化している保育料について、都の事業拡大を受けて10月から第2子も無償化します。さらに、都の助成制度の対象外である区保育室、家庭福祉員・家庭福祉員グループなどについても、区独自に無償化します。

 6月からスタートした高齢者の補聴器購入費助成は、好評で申し込みが多く、追加で同額の460万円(120人分)の補正予算を計上しました。

気候変動話し合う区民会議を始動へ

 来年3月から始まる「気候区民会議(仮称)」には、380万円を盛り込みました。市民が気候変動について話し合い、意見を区政に反映させる仕組み。16歳以上の区民を無作為に選び、希望者を70~80人選出します。概ね月に1回開き、全7回を予定します。

 記者会見で岸本区長は、今夏の猛暑の体験を通して区民から出てきた課題を話し合う会議になれば、「気候変動の危機に対して、緊張感をもって話し合えるのではないか」と期待感を示しました。

 対話によるまちづくりの推進に342万円を計上。前区政が進めた阿佐ヶ谷駅周辺のまちづくりについて、これまでの取り組みや今後の進め方を区民と話し合ってきた「阿佐ヶ谷駅北東地区まちづくりを振り返る会」を踏まえ、情報公開と住民の声を聞く「(仮称)阿佐ヶ谷まちづくりセッション」を、来年1~3月に2回程度開催します。

 岸本区長は「参加型予算」の取り組みについて、森林環境譲与税基金の使途をテーマにした事業提案の募集に57件の応募があったと報告。今後、実現性などを検討して10件ほどに絞った上で、インターネットや郵送での投票を経て3件(1件の予算上限2000万円)ほどを選定。年内に予算化した上で、来年度予算案に盛り込むと説明しました。

東京民報2023年9月17日号より

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