「なぜ新宿御苑」募る不信 実証事業は中止を 放射能汚染土で環境省要請〈2023年9月24日号〉

 環境省が東京電力福島第1原発事故で発生した汚染土を、新宿御苑(新宿区内藤町)の花壇で「再生利用」する実証事業を計画している問題で、日本共産党議員や住民らは14日、環境省から直近の状況説明を受けるとともに、実証事業を強行しないよう求めました。環境省の担当者は実証事業の再開に向けて説明会を検討中としましたが、「国から押しつけ、無理やり進めることはない」と答えました。

環境省(左側)に実証事業の中止を求める住民、共産党議員ら=14日、衆院議員会館(千代田区)

 「新宿御苑への放射能汚染土持ち込みに反対する会」のメンバーや、笠井亮衆院議員、坂井和歌子・衆院比例予定候補、新宿区議、前渋谷区議が参加しました。

 西村明宏環境相(当時)は国会で「地元の理解を得ずに事業をやることはない」と答弁しています。住民説明会は昨年12月に新宿区の3町会に限定して開いたものの、住民の強い反発を受けて、その後一度も行われていません。一方、新宿御苑で今年8月、福島県産の特産品が当たるクイズやラリーイベントなど、福島県内で発生した除去土壌などについて安全をアピールするようなイベントを開催しています。

 政府・環境省は福島県内の「中間貯蔵施設」に集めた汚染土をリサイクルして1㎏当たり8000ベクレルまでの汚染土を公共工事や農地に使う方針。実証事業でも同様の汚染土を使用します。一方、放射性物質は原子炉等規制法に基づき、核種によってクリアランス基準(一般の廃棄物として処分できる最大濃度)が定められ、セシウムは1㎏当たり100ベクレルです。

 参加者は再生利用の法的根拠や処分する汚染濃度の二重基準の問題などで納得できる説明がないと訴え。「環境相答弁を重く受け止めるべきだ」とし、誰もが参加できる説明会の開催を求めました。

 また、「国が安全だと言っている再生土壌をわざわざ新宿御苑にまで持ってきて、実証実験をやる必要がどこにあるのか」「セシウムしか測定しないのに安全と言うばかりで、不信感が積み重なるばかりだ」など、住民の不安に応えない環境省への批判が相次ぎました。

 中村たかゆき氏(新宿地区くらし若者応援室長)は、「放射能は絶対的な安全基準はなく、影響も個人によって違う。放射能汚染物質は一カ所に集めて管理するという原則に立ち返って汚染土問題を考えるべきだ」とのべました。

 環境省の担当者は「住民の懸念に答えられるよう、今後の説明会の持ち方を検討している」と答えるにとどまりました。

 笠井議員は「原発回帰を押しつける岸田内閣のやり方に住民の不信が募っている。計画自体が受け入れられないという住民の思いを受け止めるべきだ」と語り、実証事業の中止を求めました。

東京民報2023年9月24日号より

関連記事

最近の記事

  1. 衆院予算委員会で質問=2月6日  来年度予算案の審議がはじまり、日本共産党のトップバッターと…
  2.  都知事選(7月7日投票)で、市民と野党の共闘候補の実現を目指す選考委員会が8日に立ち上がりました…
  3.  都知事選で市民と野党の共闘候補を擁立しようという第1回「候補者選考委員会」が8日、都内で開かれま…
  4. 新春のつどいで  議員活動が始まり約9カ月、日々さまざまな相談が寄せられます。  多岐…
  5.  都内に10校ある朝鮮学校を支援する市民や都議らでつくる「都議会勉強会」実行委員会、「東京都こども…

インスタグラム開設しました!

 

東京民報のインスタグラムを開設しました。
ぜひ、フォローをお願いします!

@tokyominpo

Instagram

#東京民報 12月10日号4面は「東京で楽しむ星の話」。今年の #ふたご座流星群 は、8年に一度の好条件といいます。
#横田基地 に所属する特殊作戦機CV22オスプレイが11月29日午後、鹿児島県の屋久島沖で墜落しました。#オスプレイ が死亡を伴う事故を起こしたのは、日本国内では初めて。住民団体からは「私たちの頭上を飛ぶなど、とんでもない」との声が上がっています。
老舗パチンコメーカーの株式会社西陣が、従業員が救済を申し立てた東京都労働委員会(#都労委)の審問期日の12月20日に依願退職に応じない者を解雇するとの通知を送付しました。労働組合は「寒空の中、放り出すのか」として不当解雇撤回の救済を申し立てました。
「汚染が #横田基地 から流出したことは明らかだ」―都議会公営企業会計決算委で、#斉藤まりこ 都議(#日本共産党)は、都の研究所の過去の調査などをもとに、横田基地が #PFAS の主要な汚染源だと明らかにし、都に立ち入り調査を求めました。【12月3日号掲載】
東京都教育委員会が #立川高校 の夜間定時制の生徒募集を2025年度に停止する方針を打ち出したことを受けて、「#立川高校定時制の廃校に反対する会」「立川高等学校芙蓉会」(定時制同窓会)などは11月24日、JR立川駅前(立川市)で、方針撤回を求める宣伝を21人が参加して行いました。
「(知事選を前に)税金を原資に、町会・自治会を使って知事の宣伝をしているのは明らかだ」―13日の決算特別委員会で、#日本共産党 の #原田あきら 都議は、#小池百合子 知事の顔写真と名前、メッセージを掲載した都の防災啓発チラシについて追及しました。
ページ上部へ戻る