年末に労働者を寒空に パチンコ大手 西陣が解雇予告〈2023年12月3日号〉

 老舗パチンコメーカーの株式会社西陣(本社千代田区=後に親会社である株式会社ソフィアが吸収合併)が、従業員が救済を申し立てた東京都労働委員会(都労委)の審問期日の12月20日に依願退職に応じない者を解雇するとの通知を送付しました。労働組合は「寒空の中、放り出すのか」として不当解雇撤回の救済を申し立てました。

西陣の本社前に集まった組合員ら=労組提供

「このたび弊社は廃業することになりました」-3月1日夕刻、西陣は、ホームページに掲載しました。社員も寝耳に水。同社は全国展開でパチンコ台を販売するだけではなく、球を供給するシステムなども設計・設置しており、替えのきかない十年単位でのメンテナンス契約も抱えていたため、営業担当者の携帯電話が顧客からの問い合わせやクレームで鳴り続けたと振り返ります。

 西陣は従業員に依願退職を要求。全労連・全国一般労働組合西陣分会にも激震が走りました。3月3日、10日、17日と3回の団体交渉を行い「事前協議合意協定違反」を通告するとともに、▼退職勧奨は行わない▼東京・横浜支店で事業を継続する-など、会社の回答を引き出してきました。

 しかし、22日に会社は「団体交渉の終了」を一方的に通告。組合は23日、都労委に「不当労働行為救済命令申立」を提出しました。小杉勝分会長(当時)は依願退職に応じるべきかどうかや、生活不安を抱える従業員の声を聞き、対応する中で倒れ急逝。4月に第1回調査が始まり、5回の調査が行われています。5月24日の調査では「実効確保の措置の勧告(審査中、審査の実効を失わせないよう求める勧告)」について口頭で「紛争を拡大しないよう」との要望が発せられています。

 そうした中、組合と会社の弁護士らは7月から2回の交渉を行い、組合当事者を交えて1回の交渉が行われてきました。

都労委審問日に解雇予告

 組合は西陣の決算書から「資産も非常に多く、借り入れもほとんどない。親会社のソフィアからニーズのない商品を高値で仕入れさせられ販売を強いられてきた」と意図的につくられた赤字であると主張。「廃業回避の手段の検討もなく、廃業は親会社ソフィアが計画したものだ」と憤ります。また、「資産を親会社が吸収するのであれば、労働者の雇用が継続されるべきだ」と訴えています。

 西陣は2010~2012年に渡り、日本女子プロゴルフ協会公認のゴルフトーナメントの冠スポンサーをしていた一方で、2013年に最大40%の賃金カットを一方的に提示。その際、組合が都労委に救済を求めた過去もあり、支配株主の経営体質に問題があったともいわれています。

 今回、会社側は都労委の審問期日である12月20日付の解雇予告通知を送りつけてきました。組合員は「年末に放り出すのか。家族や親戚が集まる時期にみじめにさせる。見せしめのようだ」として、「子どもの進級・進学にも影響を及ぼしかねない」「寒さの中でよけい惨めにさせる」と苦悶の表情で訴えます。

 これまで組合は会社に真摯に対応して欲しいと街頭宣伝などを繰り返し展開。メーンバンクである三井住友銀行本店にも「従業員の使い捨てをやめるように助言をお願いしたい」と協力を求めて複数回に渡り申し入れを行っています。11月10日の申し入れに対し、三井住友銀行は応対した人が名刺を渡すこともなく、「来店の記録は残す」と言うだけで要望書への回答を一切拒否。銀行として社会的責任を果たす姿勢はまったく見られませんでした。

誠意なく露骨なやり方 弁護団の川口智也弁護士

川口智也弁護士

 都労委の審問日で、しかも年末に解雇というのは、誠意がなく非常に露骨なやり方です。退職に応じなければ解雇という圧力でしかなく、到底受け入れられるものではありません。西陣は都心の一等地に自社ビルを持ち資産があった。ソフィアに多額の貸付もあり、資金の吸い上げもあったと思われる。解雇撤回も新たに争っていきます。

東京民報2023年12月3日号より

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