屋久島沖で墜落した、特殊作戦機CV22オスプレイをめぐって、米軍は8人の乗員全員の死亡を認定しました。日本国内でも墜落や緊急着陸を何度も起こしてきたオスプレイですが、死亡を伴う事故は初めてです▼米軍は事故を受けて、全世界に配備されたオスプレイの全機飛行停止を決めました。初期段階の調査で、機体に不具合があった可能性が指摘され、安全確保のための措置だといいます▼日本政府は当初、今回の事故を「不時着水」と発表していました。米側の説明の表現にならったもので、翌日に米側が「墜落」と表現を変えると、それに合わせて墜落と発表し始めました▼事故を目撃した住民は、エンジンが火を噴き、機体が回転しながら落下していったと語っています。現場に駆け付けた海上保安庁も当初、事故を墜落と発表していました。日本政府が、独自に事故の状況を分析して判断していれば、「墜落」だったのは明らかで、こんな所にまで「アメリカ言いなり」の姿勢が表れているようです▼これまでオスプレイは、住民の頭上を飛び続けてきました。事故の原因究明を米軍任せにせず、安全の確保ができないならば、飛行を再開しないよう毅然と求める姿勢が政府になければ、国民の安全を守ることはできません。
東京民報2023年12月17日号より