
神宮外苑再開発(港区、新宿区)で、都が三井不動産などの事業者に対して既存樹木の具体的な保全策を出すよう要請したのを受け、「神宮外苑再開発をとめ、自然と歴史・文化を守る東京都議員連盟」(6会派41人)は12月22日、小池百合子知事に対し、事業者が提出する「具体的な樹木保全策」の変更届と事後調査報告書について、環境影響評価審議会を開催し、再審議を行うことや、同審議会にイコモスを参考人として招致し、意見を聞くよう要望しました。
ユネスコ(国連教育科学文化機関)諮問機関のイコモス(国際記念物遺跡会議)は9月、再開発計画の撤回を求める警告(ヘリテージ・アラート)を出しました。都はこの直後、都市整備局長名と環境局長名で事業者に対し、「具体的な樹木保全策」を出すよう要請。また、既存樹木の活力度調査の結果も事後調査報告書として今後、事業者から提出される予定です。
要望書では事業者が提出する樹木保全策などに「都がどう対応するのかが、外苑再開発を巡る焦眉の課題であり、小池知事の対応も問われる」と強調。146本のイチョウ並木をはじめとする樹木が保存される見直しが行われているのか、専門的かつ科学的見地から審議する必要がある」としています。
また、同議連は同日、ヘリテージ・アラートへの事業者反論に対する9項目の検証結果を記者会見で発表。「事業者は科学的論拠を持たず、中には虚偽的な回答もあり、真摯な議論とは言えない」とし、都と事業者に対し、科学的議論の場を設けるよう訴えています。
東京民報2023年12月31日・2024年1月7日合併号より