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- 命・暮らし願いかなう都政を 都知事選都政への願い/多摩に保健所増設を求める 中山和人さん、東京医労連書記長 青山光さん〈2023年12月31日・2024年1月7日合併号〉
命・暮らし願いかなう都政を 都知事選都政への願い/多摩に保健所増設を求める 中山和人さん、東京医労連書記長 青山光さん〈2023年12月31日・2024年1月7日合併号〉
2024年は都知事選(6月20日告示、7月7日投票)がある年です。都政史上最高の都税収入が続いているのに、お金の使い方は都民の暮らしには冷たく、大企業のもうけにつながる事業には手厚い小池百合子都政の“経済界ファースト”の姿勢が、暮らし、営業、環境など、あらゆる分野で都民を苦しめています。一方、「政治とカネ」問題で政治不信が高まる中、「都民に寄り添う都政に変えよう」との声と運動は、かつてなく広がっています。今年は共同の力で都政を変える大きなチャンスです。都政に自身の願いを託す各分野の声を紹介します。
感染症対策の拠り所 保健所復活して
多摩に保健所増設を求める 中山和人さん
新型コロナウイルス感染症が拡大し、全国一斉休校が発表された時に、元教員の私のところに不安にかられた先生方からメールが次々に送られてきました。
地域では保健所に連絡してもつながらないと不安が広がりました。そうした中で友人3人が集まり、身近な行政に要望を届け、市民の助け合いの輪を広げようと、三鷹市で市民連絡会の結成を呼び掛けると、運動の輪が広がりました。それが出発点です。
私たちは学習会を重ね、市民と病院をつなぐのが保健所で、かつて市内にあった保健所が統合されたことで、近隣6市の104万人が、府中市にある1カ所で対応していることも知りました。
「今後も予想される感染症対策の拠り所、平時における健康を守るセンターを復活させてほしい」。コロナの苦しい体験と学習の積み重ねの中で、私たちの共通の要求になりました。
「都の保健所復活を市長も市民と一緒に都に働きかけてほしい」という要望署名は、駅前での呼びかけに行列ができるほどの反響で、3000人分が集まり、市長からは前向きな回答が得られました。ところが都がまとめた保健所のあり方検討会の報告書は、増設は行わないことを前提に、自治体からの声にも、私たち市民の願いにも応えず、具体的な改善計画は何も示されませんでした。
その後、三多摩の保健所増設を求める会をつくり、保健所増設の必要を訴えた呼びかけに三多摩全域から賛同は103団体に広がり、11月末に市民団体が共同で都に要請しました。要求を実現する大本は都にあり、どの地域でも運動は広がる可能性があります。都民の命と健康を守る保健所増設に踏み出す都政にするために、都知事選の争点に押し上げたいと思います。
(三多摩の保健所増設を求める会呼びかけ人)
福祉や医療に明るい人こそ
東京医労連書記長 青山光さん
都政は巨大な財政力を持っているのに、小池知事は住民に目を向けない都政を続けています。福祉や社会保障に興味を示さず、「稼ぐ東京」などのスローガンばかりが聞こえてきます。
中でも、医療現場にかかわるものとして、腹が立つのが、都立病院を地方独立行政法人化(22年7月)したことです。あれだけ反対が広がり、誰にもメリットがないことがはっきりしているのに強行してしまいました。
コロナ禍のなかでは、パンデミック(世界的流行)の事態に、自治体の役割、とりわけ都道府県の果たす役割が決定的なことが示されました。
医療用マスクをどう調達するか、コロナの患者をどう受け入れるか、一医療機関では太刀打ちできないことばかりで、行政がどういう方針を示すかで、自治体ごとに大きな差が生まれました。
東京では、都立病院が大きな役割を果たし、都が病院を持っている強みが発揮されました。何かあれば、都立病院が患者を受け入れてくれる。その役割は非常に大きかったのに、都は独法化してしまった。こんな政策を続けていて、必ず来る次のパンデミックに、どう対応するのでしょうか。
都知事選に望むのは、命や暮らしを最優先にして、福祉や医療に明るい人が知事になってくれることです。「稼ぐ」よりも大事なことが、都政にはたくさんあるはずです。
東京民報2023年12月31日・2024年1月7日合併号より