速やかに救済法案実現を 全国空襲連が街頭活動〈2024年2月4日号〉
- 2024/2/3
- 平和

通常国会が開幕した1月26日、全国空襲被害者連絡協議会(全国空襲連)は民間人の空襲被害者らを救済する法案「空襲被害者等救済法」の今国会会期中での成立を目指し、街頭要請活動を有楽町駅前(千代田区)で行いました。
空襲被害者や支援者など、26人が参加。空襲の悲惨さを訴える写真や、「岸田首相決断を!!」などと書かれたパネルを並べて通行人にアピールし、岸田文雄首相や衆参両院に提出する、救済法案の速やかな実現を求める請願署名への協力を呼びかけました。
政府は軍人や軍属らに対し、戦後恩給などで総額60兆円以上を支給していますが、民間空襲被害者への補償は一切ありません。超党派空襲議連により救済法案の要綱案が作成されたものの、与党内で意見が対立し、国会提出は見送られ続けています。
東京大空襲で両親と妹を亡くし、孤児になった吉田由美子共同代表は、命のある間に国が謝罪と救済を行うことが一番の望みであり、「私たちに本当の戦後を迎えさせてください」と訴え。蒲生眞紗雄事務局長は、「今こそ戦後日本の良心を国民に示し、立法府の責務を果たすべき」と力を込めました。
東京大空襲訴訟の弁護団のひとり、北澤貞男弁護士は、空襲被害者の多くが他界していることに触れ、「時間がない」と強調。「一番の問題は、国が被害者の実態調査をしていないこと」と厳しく批判しました。
スピーチに耳を傾けていた80代の男性は、「私が住んでいた高知県も空襲で丸焼けになった。全国で多くの人が犠牲になっている。政府の救済がないのはおかしい」と、怒りを告白。会社の昼休みに通りかかり、署名に協力した女性(51)は、「スピーチしている皆さんの気持ちが伝わってきた。私にできることがあるなら、という思いで署名した」と話しました。
街頭活動の翌日、河合節子事務局次長は、「若い男性が、受け取ったチラシを読んで署名をするために戻ってきてくれた。本当にありがたい」と、心に残ったエピソードを語りました。
東京民報2024年2月4日号より