自衛隊 政教分離の原則守れ 靖国訪問で宗教者が懇談〈2024年5月26日号〉
- 2024/5/26
- 平和
仏教、キリスト教、神道などの宗教者で構成される「平和をつくり出す宗教者ネット」が主催する防衛省との意見交換会が16日、国会内で行われました。陸上自衛隊幹部が相次いで今年1月に靖国神社(千代田区)、宮古神社(沖縄県)を集団で参拝したことに端を発しています。参拝時に制服を着用し、公用車を用いたことが憲法20、89条に示された「政教分離の原則」を逸脱するものとして、事前に提出した質問書への回答を求めました。
質問は同様の参拝がいつから行われているかの他、▽集団参拝が公務であること▽自衛隊に対する文民統制(シビリアンコントロール)破壊ではないか▽今年4月、海上自衛隊の元海将が靖国神社宮司に就任した事実▽「大東亜共栄圏」との文言を公式文書で使用することなどの事実への見解―を求めていました。
防衛省は集団参拝については調査した結果だとして「各々の判断に基づいた私的参拝であり、玉串料は私費であり、憲法にもとづいた信教の自由があるためにこれ以上の調査はしない。公用車の利用に関しては不適切だとして訓戒処分を行った。大東亜共栄圏の文言は公式SNSで使用したが削除した」などと回答。
宗教者らは「参拝の行程、マニュアルがあり公印が押されている。制服を着用し隊列を組み参拝しながら私的参拝とは不自然。政教一致で過去の侵略戦争を行い、多くの犠牲を出した反省が生きていない」などと述べ、改善を求めました。
この問題で同ネットを中心に他の宗教団体や市民団体が抗議の共同声明を上げています。
東京民報2024年5月26日号より