〈一分9月20日号〉「7回の試合で7枚のマスクを使いました。伝えたかったメッセージは」「あなたが受け取ったメッセージは何ですか。…
- 2020/9/14
- コラム・オピニオン
「7回の試合で7枚のマスクを使いました。伝えたかったメッセージは」「あなたが受け取ったメッセージは何ですか。それがより重要な質問です」─テニスの全米オープンで、2度目の優勝を果たした大坂なおみ選手のインタビューでのやりとりです▼ブレオナ・テイラー26歳、イライジャ・マクレーン23歳、アマッド・アーベリー25歳、トレイボン・マーティン17歳、ジョージ・フロイド46歳、フィランド・カスティル32歳、タミル・ライス12歳。マスクに書かれた、警察の暴力で命を奪われた黒人犠牲者7人の名前と、亡くなった時の年齢です▼アメリカ各地で起こる「ブラック・ライブズ・マター(黒人の命は大事だ)」の抗議の声。デモに賛同したことに、アスリートが政治にかかわるなと批判が起きると、大坂選手は「これは人権問題」「私はアスリートである前に黒人女性」と反論しました▼全米オープン優勝を決め、コートに寝転がったことを、「多くの偉大な選手が(優勝後に)倒れこんで見上げていた。どんな景色が見えるのかと思っていた。素晴らしい瞬間だった」と語った大坂選手。社会の変化を促そうと、しなやかに発信するアスリートの姿は、私たちにも、晴れやかな新しい景色をのぞかせてくれました。
(東京民報2020年9月20日号より)