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学校は男女混合名簿に 江戸川区議会 高校生が陳情 全会一致で採択〈9月20日号より〉
- 2020/9/14
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江戸川区議会の文教委員会は8日、区立小中学校の名簿を男女混合にするよう求める陳情を、全会一致で採択しました。陳情は、生まれてきた性別と性自認が一致しないトランスジェンダーの高校生が出したもの。コロナ禍で、男女別に分散登校した学校が区内にあると知って陳情し、各会派への要請や委員会傍聴を続けてきました。
陳情文で高校生は、「男性として生活をしていますが、残念ながら戸籍の性別は女性のままです。(中学入学の際)与えられた制服を見て私は愕然(がくぜん)としました。こんな格好で学校に通うのは、恥さらし以外のなにものでもないと感じました」と、率直な思いを記しています。
そのうえで、学校生活において、「無意味に男女で分けられることが多く、そのたびに自分の存在を否定されているようで、消えてしまいたいと思うこともあった」と指摘。コロナ禍で、男女別の分散登校が実施された学校もあり「私と同じ境遇の後輩たちが苦しんでいます。助けてください」と訴え、男女混合名簿を教育委員会として導入することを求めています。
陳情は6月に区議会が受理したもので、3カ月で採択に至りました。同区議会では、陳情の審査に時間をかけるケースが多く、異例の対応です。
日本共産党の牧野けんじ区議は、委員会で「高校生の思いに議会として迅速にこたえることになり、心から歓迎します」と表明。「名簿は各学校の判断という点は、重要で大事にしてほしい。そのうえで、この陳情は深いところでの多様性を認めてほしいという内容だ。さまざまな要因で、(トランスジェンダーであることなどを)申し出ることができずにいる生徒がいることにも留意し、『助けてください』という声に常に立ち返る対応を望む」として採択に賛成しました。

制服選択制も要望
陳情を出した高校生は8月に、区長あてに、学校の制服を選択制にすることを求めるオンライン署名も提出しています。
署名は6月から8月までの2カ月ほどで1万1千人分を超え、マスコミでも報道されるなど注目されました。
署名を受け取った斉藤猛区長は、「制服が理由で不登校や自殺に追いつめられるようなことはあってはいけない」と回答。改善に前向きな姿勢を示しています。
(東京民報2020年9月20日号より)