品川区内を低空で飛行する羽田新飛行ルートの賛否を問う住民投票の直接請求署名数は、2万3098人となり、直接請求に必要な有権者数約6800人の約3・4倍に達しました。署名は9日、区選挙管理委員会に提出されました。
署名運動は10月4日から今月3日までの1カ月間。署名を集める受任者も1600人を超えました。羽田新飛行ルートについて、国は「地元の理解を得て進める」と言いながら、住民の声は無視しており「新ルートの賛成、反対にかかわらず、住民の意思を示そう」と呼び掛けてきました。

今後、区選挙管理委員会は、提出された署名簿を審査、縦覧後、区長に住民投票条例の制定を請求、区長は20日以内に区議会を招集し、条例案を提出する運びです。区議会では、40人の議員のうち、超党派の6会派14人が賛成の態度を示しています。品川区議会では、新ルートを「容認できない」との決議を全会一致で採択しており、自民、公明両党の各議員の対応が注目されています。
署名最終日に集会
「区民投票を成功させる会」は3日、フィナーレ集会を開催。同会代表で視覚障害者の堀利和さんや書道教室を開いている藤田美佳さんらがあいさつ。住民投票で区民の声無視の「流れを変えよう」と呼びかけました。
集会では、新ルートに反対する区内の市民団体代表の秋田操氏が運動の経過や、住民投票の意義を強調。新ルートの取り消しを求めて裁判をたたかっている須永知男氏が現状を報告しました。
区内各所で署名を訴えてきた超党派の議員連盟の区議ら10人がそろって、それぞれの体験をもとに発言。駆け付けた日本共産党の小池晃参院議員(書記局長)や白石たみお都議、香西かつ介衆院東京3区候補、立憲民主党の松原仁衆院議員もあいさつ。それぞれ「力を合わせて頑張る」などと参加者を激励しました。
(東京民報2020年11月15日号より)