思想、良心守る都立校に 君が代裁判で5次提訴〈4月11日号より〉

 都立学校の入学・卒業式などでの「君が代」起立斉唱強制による不当処分に反対する団体などが開く、今年度の卒業式の様子などを報告する集会が3月31日、豊島区内で開かれました。同日、提訴された処分取り消しを求める第五次訴訟の原告らが参加し、「思想、良心の自由が守られる、当たり前の都立学校を取り戻したい」など決意を語りました。

 東京地裁に第五次訴訟を起こしたのは、都立学校の教職員15人(現職10人、元職5人)。「君が代」斉唱時に起立斉唱しなかったことを、職務命令違反とした処分の取り消しを求めています。

 2014年から18年に戒告や減給などの処分を受けた人のほか、過去の裁判で減給処分を取り消された後に、同じ不起立を理由に再び戒告の処分を受けた人たちです。

集会に参加した第五次訴訟の原告=3月31日、豊島区

 原告の特別支援学校教員は昨年12月25日、校長室に呼ばれ、教育庁の職員に、最高裁決定で減給処分を取り消された不起立について、戒告の再処分を受けました。

 「新型コロナウイルスの影響で、かつてない2学期を終え、教育行政からねぎらいの言葉の一つくらいかけられてもよい時に、抜き打ちのように再処分する。腹が立つより、むしろあきれた」と振り返り、「思想、良心に照らして、(斉唱で)立つことはできない」と語りました。

 過去の裁判で取り消されたのは減給以上で、戒告の処分が取り消されたことはありません。

 別の教員は、「戒告は軽い処分として取り消されてこなかったが、経済的な損失、クラス担任から外されること、定年後の処遇など、多くの影響があり、決して軽い処分ではない」と指摘。第五次裁判で、必ず戒告の取り消しを勝ち取ろうという発言も相次ぎました。

 コロナ禍のもとで2回目となる、卒業式の状況も報告されました。都は、教育長名の通知で飛沫の感染防止のために、「歌唱は行わない」としたものの、式次第には「国歌斉唱」と記載し、起立を求めることなどを明記。報告した教員は、「歌唱入りのCDを流し、国歌を起立して聞くだけの『斉唱』は例年にも増して異様だった。何が何でも国歌斉唱に執着する都教委の異常さを浮き彫りにした」と語りました。

(東京民報2021年4月11日号より)

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