政権交代へ、共闘の発展を 対談 手塚 都民に寄り添う都政に 田辺 自公都ファに審判下す

 コロナ対策をはじめ、菅政権が行き詰まり政権交代への期待が広がる中、半年以内に総選挙が行われ、都議選(6月25日告示、7月4日投票)が迫っています。立憲民主党都連と日本共産党都委員会は、総選挙・都議選での共闘の実現へ、話し合いを進めています。手塚仁雄・立憲民主党都連幹事長と、田辺良彦・共産党都委員長に聞きました。

 ―半年以内には、必ず総選挙があります。

 田辺 共闘を発展させ、野党で一緒に政権をつくる合意を実現し、そのための相互支援の選挙協力をして臨む必要があります。総選挙での市民と野党の共闘にも大きなインパクトになるようなたたかいを、都議選で実現したいと思います。

 手塚 4月25日投開票の国政3選挙は、共産党の皆さんにも大きな協力をいただき、3勝という結果を出せました。

 ホップ・ステップ・ジャンプでいえば、ステップになるのが、都議選です。政権を目指す合意は、党中央での詰めた協議が必要ですが、東京で共闘を積み上げられれば、政権交代への大きな弾みになります。そのための話し合いを詰めていきます。

積み上げた努力が

 ―共闘へ、話し合いの経過を教えてください。

 手塚 両党で共闘へ話し合いを積み上げています。その中で、非常に大きいのは、昨年の都知事選で、宇都宮健児さんを候補に共闘できたことです。小選挙区ごとに市民選対をつくり、市民のみなさんとともにたたかえた。その信頼関係が、大きな財産になっていると感じます。

 田辺 出発点になっているのが、2017年の総選挙です。小池百合子知事が「希望の党」をつくり、市民と野党が積み上げてきた共闘を壊そうとしてきた。そのなかで立憲民主党が結成され、共産党は共闘を守るために全力をあげました。

 その後、手塚幹事長との間で、「今後の首長選挙などでは、可能な限り協力していこう」との話し合いが始まった。うまくいく選挙も、いかない選挙もありましたが、一つひとつ努力してきました。都知事選に加え、同時実施の4つの都議補選でも、しっかりした共闘ができました。

 都議選に向けては、大事な問題で政策的立場が違うこともありますが、格差と貧困の解消、カジノ誘致反対など、一致する点も少なくありません。

 政策的な一致を前提に、市民と野党の共闘のたたかいとなることを目指し、話し合いを進めて、可能な協力をすすめていきたいと考えています。

 手塚 そうですね。各自治体を見ると、過去の「自民、公明、民主」の枠組みで生まれた首長もいて、国政は野党共闘の枠組みでやれても、地方政治では異論が出ることもあります。

 そのため、都連として「首長選で自公相乗りはしない。可能な限り市民と野党の共闘を進める」と決議しました。各地域の実情でうまくいかないことはあっても、そういう大きな枠組みで、共闘の努力を積み上げてきたことが、総選挙・都議選への話し合いでも生きています。

 タフな都委員長なので、日ごろのやり取りは厳しいのですが。

 田辺 そこは、お互いでしょう。

歪みが深刻な都政

 ―小池都政をそれぞれ、どうみていますか。

 田辺 新型コロナ対策の鍵となるPCR検査の拡充も、業者への補償も、都は国のいう範囲でしかやっていません。国は公立病院を統廃合しようとしていますが、都も都立・公社病院の役割を弱める独立行政法人化を進めようとしています。五輪にしがみつく姿勢も国政と同じです。どの分野でも、国政と都政が持つ致命的欠陥は同じで、転換が急務です。また、保健所などの軽視や、住民無視の「稼ぐ東京」路線をはじめ、都政の歪みも深刻です。

 手塚 立憲民主党の原点は、17年総選挙で小池知事が仕掛けた政治闘争です。ですから、小池都政を懐疑的に、厳しい目で見ています。

 加えて、いま都委員長も言われたように、コロナ禍にあって小池知事は、自分が都民にどう映るかばかり意識して、都民に寄り添う政策になっていない。都政のチェック機能を果たす都議会をどうつくるか、都議選でしっかり訴えたいと思います。

 田辺 マスコミでは、「自民公明」対「都ファ」(都民ファーストの会)の対決という描き方もありますが、都政の問題点について、両者に違いはありません。都民の命と暮らしを守るために、自公都ファの都政に審判を下したいと思います。

勝利に向け全力で

 ―都議選へ、それぞれの決意をお願いします。

 手塚 立憲民主党は、今のわが党の力量、総選挙を控えていることなどを総合的に考慮して、都議選候補を絞り込みました。全員当選を果たして、市民と野党の共闘の勢力が、都議会のチdェック機能を発揮できる体制をつくりたい。それが総選挙にも直結します。全力を尽くします。

 田辺 私たちは前回当選議席は絶対に確保し、さらに前進して、都議会の野党第一党としての責任を果たしたい。共闘も発展させたい。都議選での勝利を、総選挙での市民と野党の共闘の勝利につなげていきます。

【東京民報2021年5月16日号より】

関連記事

最近の記事

  1.  退職勧奨に応じなかったことで、給与の大幅減額など不当な扱いを受けたとして、IT世界大手のグーグル…
  2.  フジテレビ幹部の関与が報じられた元タレント中居正広氏による女性への性加害疑惑をめぐり、日本共産党…
  3.  都議会自民党の“裏金問題”を巡り宇田川聡史議長が辞職したことで行われる議長選挙について、日本共産…
  4.  自民党東京都連は1月31日、都議選(6月13日告示、20日投票)の1次公認候補26人(現21人、…
  5.  羽田新飛行ルートの見直しを求めている超党派国会議員連盟(会長・海江田万里立憲衆院議員)は1月28…

インスタグラム開設しました!

 

東京民報のインスタグラムを開設しました。
ぜひ、フォローをお願いします!

@tokyominpo

ページ上部へ戻る