来る衆院選でジェンダー平等社会への転換を実現させるため、家に居場所のない若年女性の実態を踏まえて、日本社会の不平等な構成や背景にひそむ問題を考える学習会が20日、北区で開かれました。
10代女性の活動を支える一般社団法人Colabo代表の仁藤夢乃、日本共産党・前衆院議員の池内さおり、同党・新宿区青年学生オーガナイザーの黒田朝陽の各氏が登壇。立憲民主党・北区議会議員のうすい愛子氏の司会により、コロナ禍で顕著になった若年女性を取り巻く虐待、貧困、性的搾取などの被害と問題点について論じ合いました。

冒頭で仁藤氏は、家が安心できる環境でなく、繁華街をさまよう10代女性が、支援につながる前に危険に巻き込まれている実態を説明。Colaboへの相談者数が2019年度の約590人から2020年度は約1500人に急増したことを受け、「声を上げられないまま耐えている人はもっといる」と語り、池内氏は「政治の責任が問われていることを痛感する」と憤りました。
女性支援の軽視変えよう
トークセッションでは、若年女性への公的支援について児童相談所が機能できていない現状を仁藤氏が述べ、「24時間駆け込める場所が必要」と強調。一時保護所に入所しても規制が厳しく、人権侵害が生じている痛ましい実態を報告しました。
池内氏は、保育園や学校、学童など「保護者と子どもを支える基礎的なケアを、弱体化させる政治が続いている」と訴えました。
18歳以上の女性支援について、現状は売春防止法に基づいてつくられた婦人保護事業が柱になっています。しかし、DV、人身取引、ストーカー被害者もすべて売春防止法に含められており、「国による女性支援の軽視」と池内氏は主張。女性の自立や生活再建を支援する包括的女性支援法の必要性を論じ、「若年女性が来てよかったと思える居場所、法律をつくりたい」と語りました。
また、弱い立場の人こそ被害者になりやすい現状を黒田氏が指摘。仁藤氏は障害のある女性が性搾取の対象になっている実態を語りました。黒田氏は「これらの問題は私たちの生活の地続きにある」と意見しました。
最後に池内氏は、日本社会の性暴力に対する感度の低さが子どもや女性に痛みを与える要因になっていると強調。「国会に女性の声がもっと必要」と訴えました。
(東京民報2021年9月26日号より)