オスプレイ 自動回転を訓練せず 他ヘリでは半年に30回も 日本平和委員会が緊急の学習会〈10月17日号より〉

 横田基地などに配備されている軍用機オスプレイをめぐって、日本平和委員会は8日、緊急学習会をオンラインで開きました。安全に欠かせないオートローテーション(自動回転)機能(末尾に「ことば」)の訓練が、オスプレイの訓練項目にないことが明らかになったことを受けたものです。

横田基地周辺を飛ぶオスプレイ
横田基地周辺を飛ぶオスプレイ(羽村平和委員会提供)

 回転翼が小さいオスプレイは、構造上、オートローテーションが機能しないという疑惑は、日本への配備以前から繰り返し指摘されてきました。他方、防衛省は、2012年の日本配備以来、オートローテーション機能を持つという説明を繰り返しています。

 オスプレイの訓練にオートローテーションの項目がないことは、「しんぶん赤旗」が9月23日、スクープとして報道しました。緊急学習会では、その記事を書いた佐藤つよし記者が報告しました。

 米海兵隊仕様のMV22オスプレイの訓練項目は「TRAINING AND READINESS(訓練と準備)」マニュアル(2018年4月16日付)として、インターネットで入手できます。

 これを調べると、オートローテーションに関する記述は、1カ所のみ。陸上の学校での指導の際、「空気力学」と、それをどのようにMV22に適用するかについて、「入門的知識」を持つよう「議論」するだけです(表)。

 海兵隊の他のヘリ機のマニュアルでは、オートローテーションの記述が、AH1Z攻撃ヘリで75カ所、UH1Y汎用ヘリで74カ所、CH53大型輸送ヘリで13カ所など、桁違いに出ています。

各地でオスプレイが繰り返す緊急着陸

 佐藤氏によると、オスプレイと同じく輸送で使うUH1Yの場合、実機によるものだけで、半年に30回程度はオートローテーションの訓練をすることになるといいます。

 横田基地などに配備されている空軍仕様のCV22オスプレイの場合は、同様の「AIR FORCE MANUAL(空軍マニュアル)」が3巻に分けて公開されています。空軍関連の事項に限ったもので、このマニュアルにも、オートローテーションの記述は出てきません。

 日本平和委員会の千坂純事務局長はあいさつで、「オスプレイは各地で緊急着陸を起こしている。オートローテーションが機能しないことがはっきりしたもと、飛行を続けるなどとんでもない。総選挙でも大きな争点になる」と呼びかけました。

ことば オートローテーション機能 エンジンが停止しても、機体が落下する際の空気の流れでプロペラを回して浮揚する力をつくり、ゆっくり降下する機能。日本の航空法は同機能がないヘリ機の飛行を禁じており、パイロットも訓練が義務付けられる。

(東京民報2021年10月17日号より)

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