渋谷区議会は13日、都心を低空で飛行する羽田新ルートの「運用停止を国に求める意見書」を全会一致で採択し、国に意見書を提出しました。
意見書は、「渋谷の空を守る会」(須永知男共同代表)からの請願を受けたもの。同区議会では、新ルートの運用開始前の「都心低空飛行計画の見直しを求める意見書」や、開始後の「新飛行ルートの再考を国に求める意見書」を採択しており、意見書提出は今回で3回目。
国は「羽田新経路の固定化回避に係る技術的方策検討会」を設置、その結論が出るまで待つよう住民に求め、検討会を3回開催しています。これに対し意見書は、「これらの検討は現在の滑走路の使い方を前提としており、意見書の内容を踏まえたものとは言い難い」と批判しています。
航空需要の増加を理由に新ルートの必要を強調してきた国の説明はコロナ禍で破綻。需要が大幅に減少しており、元の海上ルートに戻すべきだとの指摘に対し、国は「需要は回復する」として、住民に背を向けてきました。
意見書はこの需要の問題に言及、「現行の管制システムであれば、需要が回復しても従来の海上ルートでの増便が可能であることを、今年6月25日付の国会答弁で認めている」と指摘。「新ルートの運用停止を検討するよう強く求める」強調しています。
(東京民報2021年10月24日号より)