葛飾区が小学校改築に伴う仮設校舎の借り上げを契約した企業が、反社会的勢力の関係者と関わっていたと明らかになったにもかかわらず、契約を解除しないのは、区の暴力団排除条例に違反するとして、契約解除を求める住民監査請求が14日に出されました。日本共産党区議団と、請求した中江秀夫氏(前区議)が同日、会見しました。

問題の企業は、プレハブなどを手がける日成ビルド工業(本社・石川県)。同社は、前社長による不適切会計などを調査する第三者委員会の報告書を19年4月に公表。そのなかで、前社長や経営陣の問題として、暴力団関係企業との情報がある企業と事前に調査することなく取り引きしたり、前社長が他の役員から反社会勢力との関わりが指摘される人物との交際を止めるよう助言されても応じないなど、「代表や役員レベルで、反社会的勢力に対峙する認識の甘さが見られた」と認定し、改善を求めています。
区はこうした事実を把握しないまま同社を入札に参加させ、19年6月と21年5月、仮校舎の設置工事・借り上げ(リース)を契約しました。
「区の対応は不正常」
共産党区議団は、契約を把握した21年9月、区議会本会議で、暴力団などとの親交が明らかになった場合は、入札から参加除外するという区の暴力団廃止条例の措置要綱の規定に基づいて、契約を取り消すべきだと求めました。区は「過去のこと」「前社長は解任された」などとして、現在も契約を続けています。
会見には、請求を支援する住民でつくる「葛飾区の入札制度をただす会」のメンバーも同席。メンバーの男性は、「区の対応は、どうみても不正常。納得のいく説明をしてほしい」と話しました。
(東京民報2022年1月23日号より)