藤田廣登氏の著書『時代の証言者 伊藤千代子』を原作とした映画、「わが青春つきるとも~伊藤千代子の生涯~」の撮影終了報告会が18日、全労連会館(文京区)で開かれました。
「ガラスのうさぎ」など、多数の社会派映画を手掛けてきた桂壮三郎監督は「リアリティを求めると、人物や背景が重要になる。映像化の限界がある中で原作を追及することが難しかった」と撮影の感想を話しました。
伊藤千代子役に抜擢された新人の井上百合子氏は、「彼女は今の時代では考えられないような強い意志を持つ女性。私は26歳。同世代の女性として、何を思い、感じるかというところに焦点を当て演じた」。東京女子大学の学長、安井てつ役の竹下景子氏は「てつ先生は学業や知識より人間教育に重きを置いている。自由というものがどんなに貴重で大切か、改めて知ってもらえる映画」と話しました。
原作者の藤田氏は「伊藤千代子という無名の女性が世に出る歴史的瞬間。千代子は社会に目を開き、社会の矛盾に対して働きかけ、成長していく。今を生きる若者に大きな希望を与えるだろう」と語りました。映画は4月から上映予定です。
(東京民報2022年1月30日号より)