
東京外かく環状道路(東京外環道)のトンネルを掘り進めるシールドマシンが、練馬区大泉町地内で事故を起こし工事が停止した問題で15日、日本共産党の山添拓参院議員と宮本徹衆院議員は国土交通省とNEXCO東日本(高速道路会社)に聞き取りを行いました。

今回の事故は調布市に続きNEXCO東日本の施工によるものです。事故は大泉ランプと本線の合流区間であらかじめ設置してある地中壁(幅20メートル、深さ28メートル、厚さ1メートル)にシールドマシンが接触し、シールドマシンが損傷したとホームページで公表されました。
マシン損傷で工事停止
事業費の膨張見通せず
聞き取りの中でNEXCO東日本は「4月7日に異常を感知し、シールドマシンを停止した。12日に自治体に伝え、13日に周辺住民にチラシを配布して周知した」と述べました。さら
に「現在、シールドマシンは完全に停止中で、浅深度にあるために地表からシールドマシン周辺を掘削して原因究明と修理を実施する。約6カ月は工事が再開できない」と説明。
沿線住民が「公開中の掘進状況を比較すると、3月30、31日頃には掘進距離が短く異常があったのではないかと推測できる。それなのに工事を進め事故を起こしたのではないか」などと指摘しNEXCO東日本への不信感をあらわにしました。また「災害時に道路が必要だというが、この道路工事自体が災害を引き起こしている」との怒りの声が会場に響きました。
国会議員団の「この事故による追加事業費はいくらか。事業費の増加はどのくらいか」との質問に「全容がわからず回答できない」とし、今後、調布の地盤改良に伴う家屋移転問題なども含めた事業費の膨張も明らかにしませんでした。
宮本氏は「想定外と繰り返すばかり。住民に迷惑をかける工事はやめるべきだ。事業費の見通しも出さず、費用対効果も期待できない」と指摘しました。聞き取りには沿線住民と沿線の地方議員も参加しました。
〈2022年4月24日号〉