発がん性など健康への影響が指摘される有機フッ素化合物(PFAS)が米軍横田基地で漏出していた問題で、日本共産党都議団は7日、基地への立ち入り調査を米軍に求めるよう小池百合子知事宛てに申し入れました。調査が実現した場合は、都として積極的に参加・協力することも求めました。
PFASは自然界でほとんど分解されず、発がん性、妊婦の生殖への影響、低出生体重などの可能性が指摘されています。航空機事故の泡消火剤で使用され、米軍基地周辺で深刻な汚染が見つかっています。防衛省はこの問題に関連して、同基地で2010~12年に3件の泡消化剤漏出があった事実を、6月29日の共産党国会・地方議員の聞き取りで認めました。この情報を国から受けて都と基地周辺市町は7月5日、漏出量などの詳細な情報の提供や地下水への影響調査を防衛省に要請しています。
共産党都議団の申し入れでは、米軍が「飛行場の外へ流出したとは認識していない」と説明したことに、「何の根拠も示さず、このような断定を行うことは許されない」と批判。米軍に対し、詳細な調査・分析・評価と結果の公表・説明を行う責任があると強調。都が2000年代から都環境科学研究所などの調査で、同基地をPFAS汚染源の一つとして疑っていたのは明らかだとし、「こうしたタイミングで、米軍に調査や情報提供を求めることは可能だった」と、都の対応の遅れを批判しました。
中村倫治副知事は「ご要望は承りました。基地周辺住民の不信感につながりかねず、きわめて異例ですが(国に)遺憾と申し上げた。国が責任をもって調べるべきであり、迅速に申し入れを行いました」と答えました。
東京民報2023年7月16日号より