都教育委員会は13日、都立高校入試の合否判定に加える英語スピーキングテスト(ESAT‐J)の次期事業者に、英国のブリティッシュ・カウンシルを選んだと発表しました。英国などの大学入試に活用する検定試験のIELTSを実施しています。今秋の中学3年生のテストまで運営する出版大手の「ベネッセコーポレーション」は応募せず、本格実施から2年で運営から撤退します。
英語スピーキングテストを巡っては、他の受験者の声が聞こえたり、解答を録音するタブレットに自分の声と他の受験者の声が一緒に録音されるなどの音漏れトラブル、採点方法や不受験者の取り扱いなど様々な問題が指摘され、専門家や保護者からは、公平・公正に実施できないテストは、入試に活用しないでほしいとの声が広がっています。
都教委は募集要項で事業者に対し▽周囲の受験者の解答で集中が妨げられない受験環境を整備する▽受験者が所持する情報端末を一時回収する▽実施会場の内外に誘導員を配置する-など、前回なかった条件を付加していました。応募したのは同事業者のみでしたが、都教委は「最優秀事業応募者」として決定しました。
専門家からは、一者しか応札しないような立て付けで、入試に活用し続けるのは問題ではないか、業者が変わっても不受験者の扱いをどうするかなどの問題は変わらない、などの声があがっています。
都教委は23年度から対象を中学1・2年生にも拡大し、今年度予算に35億円を計上。ブリティッシュ・カウンシルが23年度の中学1・2年生のテストを運営。24年度から中学全学年で運営します。契約は28年度までです。
東京民報2023年7月23日号より