速やかに救済法案実現を 全国空襲連が街頭活動〈2024年2月4日号〉

通行人にパネルやスピーチ で訴える参加者=月 26日、千代田区
通行人にパネルやスピーチで訴える参加者=1月26日、千代田区

 通常国会が開幕した1月26日、全国空襲被害者連絡協議会(全国空襲連)は民間人の空襲被害者らを救済する法案「空襲被害者等救済法」の今国会会期中での成立を目指し、街頭要請活動を有楽町駅前(千代田区)で行いました。

 空襲被害者や支援者など、26人が参加。空襲の悲惨さを訴える写真や、「岸田首相決断を!!」などと書かれたパネルを並べて通行人にアピールし、岸田文雄首相や衆参両院に提出する、救済法案の速やかな実現を求める請願署名への協力を呼びかけました。

 政府は軍人や軍属らに対し、戦後恩給などで総額60兆円以上を支給していますが、民間空襲被害者への補償は一切ありません。超党派空襲議連により救済法案の要綱案が作成されたものの、与党内で意見が対立し、国会提出は見送られ続けています。

 東京大空襲で両親と妹を亡くし、孤児になった吉田由美子共同代表は、命のある間に国が謝罪と救済を行うことが一番の望みであり、「私たちに本当の戦後を迎えさせてください」と訴え。蒲生眞紗雄事務局長は、「今こそ戦後日本の良心を国民に示し、立法府の責務を果たすべき」と力を込めました。

 東京大空襲訴訟の弁護団のひとり、北澤貞男弁護士は、空襲被害者の多くが他界していることに触れ、「時間がない」と強調。「一番の問題は、国が被害者の実態調査をしていないこと」と厳しく批判しました。

 スピーチに耳を傾けていた80代の男性は、「私が住んでいた高知県も空襲で丸焼けになった。全国で多くの人が犠牲になっている。政府の救済がないのはおかしい」と、怒りを告白。会社の昼休みに通りかかり、署名に協力した女性(51)は、「スピーチしている皆さんの気持ちが伝わってきた。私にできることがあるなら、という思いで署名した」と話しました。

 街頭活動の翌日、河合節子事務局次長は、「若い男性が、受け取ったチラシを読んで署名をするために戻ってきてくれた。本当にありがたい」と、心に残ったエピソードを語りました。

東京民報202424日号より

関連記事

最近の記事

  1.  東京の北西部、東村山市にある国立療養所多磨全ぜんしょうえん生園に複数の宗教施設が集まる「宗教エリ…
  2.  新緑が鮮やかに色づき始め、生命の息吹がみなぎる季節になりました。港区立みなと科学館(虎ノ門3)で…
  3. インスタライブで語り合うeriさん(左)と田村さん=4月18日  日本共産党の田村智子委員長…
  4.  めぐろ被災者を支援する会は6月30日まで、控訴費用などを求めるクラウドファンディングを行っていま…
  5. 共同街宣で酒井候補らと共に訴える田村氏=4月16日、江東区  公職選挙法違反事件(買収等)で…

インスタグラム開設しました!

 

東京民報のインスタグラムを開設しました。
ぜひ、フォローをお願いします!

@tokyominpo

Instagram

#東京民報 12月10日号4面は「東京で楽しむ星の話」。今年の #ふたご座流星群 は、8年に一度の好条件といいます。
#横田基地 に所属する特殊作戦機CV22オスプレイが11月29日午後、鹿児島県の屋久島沖で墜落しました。#オスプレイ が死亡を伴う事故を起こしたのは、日本国内では初めて。住民団体からは「私たちの頭上を飛ぶなど、とんでもない」との声が上がっています。
老舗パチンコメーカーの株式会社西陣が、従業員が救済を申し立てた東京都労働委員会(#都労委)の審問期日の12月20日に依願退職に応じない者を解雇するとの通知を送付しました。労働組合は「寒空の中、放り出すのか」として不当解雇撤回の救済を申し立てました。
「汚染が #横田基地 から流出したことは明らかだ」―都議会公営企業会計決算委で、#斉藤まりこ 都議(#日本共産党)は、都の研究所の過去の調査などをもとに、横田基地が #PFAS の主要な汚染源だと明らかにし、都に立ち入り調査を求めました。【12月3日号掲載】
東京都教育委員会が #立川高校 の夜間定時制の生徒募集を2025年度に停止する方針を打ち出したことを受けて、「#立川高校定時制の廃校に反対する会」「立川高等学校芙蓉会」(定時制同窓会)などは11月24日、JR立川駅前(立川市)で、方針撤回を求める宣伝を21人が参加して行いました。
「(知事選を前に)税金を原資に、町会・自治会を使って知事の宣伝をしているのは明らかだ」―13日の決算特別委員会で、#日本共産党 の #原田あきら 都議は、#小池百合子 知事の顔写真と名前、メッセージを掲載した都の防災啓発チラシについて追及しました。
ページ上部へ戻る