気候危機対策、区民参画で 杉並区 来年度予算案を発表〈2024年2月11日号〉
- 2024/2/11
- 区市町村
杉並区の岸本聡子区長は1月31日、2024年度の当初予算案を発表しました。一般会計予算案は、前年度より121億8200万円(5.8%)増の2228億9200万円です。
能登半島地震を受けて、首都直下地震への備えを強化します。
猛暑や水害などの気候変動対策を推進します。自然が持つ治水機能を活用する「グリーンインフラ」の検討などによる雨水流出抑制対策の強化に9516万円を計上。2050年までに二酸化炭素の排出実質ゼロを目指し、本庁舎で調達する電力を100%再生可能エネルギーに切り替えます。
年間約260万キロワット時を使う電力は、非化石証書の追加購入を含め総額1億623万円を盛り込みました。
水害対策では、区道などの透水性舗装化を拡充。3月から全6回、80人の住民が参加して行う「気候区民会議」開催は1335万円を予算化しました。
岸本区長は「気候変動が全ての人の命に関わるとの認識が広まってきた。対策を区民参画で進めていきたい」と強調しました。
参加型予算をモデル実施
今年度、モデル実施した区民の意見を反映する「参加型予算」は、災害時に活用できる用具の公園設置など3事業で計2663万円を計上。
昨年10月から実施している区立小中学校の給食無償化は、4月から新たに国立・私立学校などに通う区内の小中学生約6500人を対象に給食費相当額の給付金を支給。区内のすべての小・中学生約3万6000人が実質無償化されます。
公契約条例で時給引き上げ
杉並区は4月から、公契約条例に基づく時給の下限を、約8%引き上げて1231円にします。給食調理員や警備員など、区の委託や指定管理で働く人の時給が上がる可能性があります。
岸本区長は「指定管理者施設で働く人の7割超が非正規雇用で、その多くが区民の女性」との区の検証結果に言及。時給の引き上げは「地域の中で安定した良質な雇用を創出する重要な一歩」と話しました。
どちらも日本共産党区議団が求めてきたものです。他に、学校トイレの洋式化、感震ブレーカーの設置促進、避難所の機能強化などの政策も来年度予算案に盛り込まれました。
東京民報2024年2月11日号より