民主主議取り戻す知事選に 小池都政 緑・環境壊しを考える集会〈2024年5月19日号〉

 1カ月後に迫った都知事選(6月20日告示、7月7日投開票)で、小池百合子都政の転換を目指す「Change 都政市民プロジェクト」は10日、「都知事選2024の課題 緑・公園・環境」をテーマに、千代田区の日比谷図書文化会館で集会を開催し、定員約200人の会場は満席となりました。小池都政が都内各地で推進する再開発計画に反対する市民が報告し、小池都政の問題を明らかにしました。

住民目線で小池都政の問題を話し合った集会=10日、千代田区

 報告者から共通して出されたのは民主主議の問題でした。経営コンサルタントで神宮外苑再開発による樹木伐採の認可取り消しを求めて都を提訴したロッシェル・カップさんは、多数の樹木を伐採し、球場やラグビー場の新設、超高層ビル建設など、公園を商業主義的な場所に変える具体例を紹介。「街づくりという言葉が嫌いになった。なぜ有権者が大切にしていることを無視して再開発するのかが分からない。都知事選で考える大切な視点は、民主主議の問題です」と提起。

 「日比谷公園の歴史と文化をこよなく愛する会」の高橋康夫さんは、120年かけて生物多様性を育む大切な森となった日比谷公園(千代田区)の森林を芝生にし、戦後復興の象徴の噴水、「思い出ベンチ」など市民の思いがこもる全てを撤去する開発計画を批判。「誰かの儲けのためでなく普通の市民の声を聞く、市民のための都政にしたい」と訴えました。

 「葛西の自然を守る会」の服部至道さんは、老朽化を名目に計画された葛西臨海水族園(江戸川区)の改築で、1400本の樹木が伐採・移植され、35年かけて培われた自然の森が壊され、区民に親しまれてきた淡水生物館がなくなると告発。計画がPFI方式で進められ、都民に情報が伝わらないことに「まるでブラックホール」と批判。「閉館前なのに都議会への報告もなしに、すでに工事も始まっている」と問題視しました。

住民に隠し計画進める

 「善福寺川流域の自然と暮らしを守る会」の丸山ゑみさんは、都が住民に知らせずに突然、洪水対策を名目に杉並区内の地下に巨大貯水池を建設する計画に反対する住民運動を紹介。公園緑地の破壊や陥没事故など住民から不安の声があがり、計画の見直しを求める署名に1万6000人の賛同が寄せられていると報告。「住民運動でつくってきた緑のベルト地帯を絶対に守る。非民主的で住民にかくして公園を壊し、ゼネコンを潤すために税金を湯水のように使う小池都政を変えないと、都民の暮らしは真っ暗になってしまう」と述べました。

 「神田警察通りの街路樹を守る会」の北城照二郎さんは「住民が望むのは街路樹を残した道路整備であり、関係者との話し合いだ」と述べました。道路管理者の千代田区は沿道住民に知らせることなく神田警察通り(千代田区)のイチョウの街路樹の伐採計画を進め、住民が反対する中、夜中に7本を伐採。以来、住民は夜通し行う街路樹の見守り活動を続け、300日に及んでいます。

 日本共産党、立憲民主党、グリーンな東京、生活者ネットの各都議が発言しました。共産党の原田あきら都議は、神宮外苑再開発をはじめ、住民無視で街を壊して超高層ビルを建設する計画が、都とデベロッパーとが一緒になって各地で進められている実態を報告。「都知事選で勝利し、民主主議を取り戻し、巨大な財政力を暮らしと福祉、環境に使う都政に変えないといけない」と訴えました。

東京民報2024年5月19日号より

関連記事

最近の記事

  1. 岸本区政2年の変化を振り返った交流イベント=13日、杉並区  杉並区の岸本聡子区長が「みんな…
  2. 質問状の内容をJ A L 側(左)に説明する超党派の国会議員ら=18日、品川区  昨年以来…
  3. 記者会見する(左から)浦野氏、羽鳥氏=17日、新宿区  中野区議会で副議長(公明党)が日本共…
  4. 報告集会でマイクを握る白石都議=20日、品川区  東京都が防災性の向上を名目に進める特定整備…
  5. 東京地裁 コラボ中傷はデマ  女性支援団体「Colabo」(コラボ)と代表の仁藤夢乃さんが、…

インスタグラム開設しました!

 

東京民報のインスタグラムを開設しました。
ぜひ、フォローをお願いします!

@tokyominpo

Instagram

#東京民報 12月10日号4面は「東京で楽しむ星の話」。今年の #ふたご座流星群 は、8年に一度の好条件といいます。
#横田基地 に所属する特殊作戦機CV22オスプレイが11月29日午後、鹿児島県の屋久島沖で墜落しました。#オスプレイ が死亡を伴う事故を起こしたのは、日本国内では初めて。住民団体からは「私たちの頭上を飛ぶなど、とんでもない」との声が上がっています。
老舗パチンコメーカーの株式会社西陣が、従業員が救済を申し立てた東京都労働委員会(#都労委)の審問期日の12月20日に依願退職に応じない者を解雇するとの通知を送付しました。労働組合は「寒空の中、放り出すのか」として不当解雇撤回の救済を申し立てました。
「汚染が #横田基地 から流出したことは明らかだ」―都議会公営企業会計決算委で、#斉藤まりこ 都議(#日本共産党)は、都の研究所の過去の調査などをもとに、横田基地が #PFAS の主要な汚染源だと明らかにし、都に立ち入り調査を求めました。【12月3日号掲載】
東京都教育委員会が #立川高校 の夜間定時制の生徒募集を2025年度に停止する方針を打ち出したことを受けて、「#立川高校定時制の廃校に反対する会」「立川高等学校芙蓉会」(定時制同窓会)などは11月24日、JR立川駅前(立川市)で、方針撤回を求める宣伝を21人が参加して行いました。
「(知事選を前に)税金を原資に、町会・自治会を使って知事の宣伝をしているのは明らかだ」―13日の決算特別委員会で、#日本共産党 の #原田あきら 都議は、#小池百合子 知事の顔写真と名前、メッセージを掲載した都の防災啓発チラシについて追及しました。
ページ上部へ戻る