PCR拡大へ各地で取り組み 世田谷区 「誰でもいつでも何度でも」〈2020年8月23日号より〉

 国や都の無策のもと、新型コロナウイルス感染拡大の勢いが止まりません。こうした中、日本共産党の各自治体の議員団は、志位和夫委員長のPCR検査の拡大で感染急拡大を抑止する安倍晋三首相への「緊急申し入れ」(7月28日、1面参照)に呼応し、各自治体の状況なども踏まえて、あらためて申し入れを行っています。

 また、世田谷区のように「誰でも いつでも 何度でも」PCR検査ができることで、感染の早期発見、治療につなげ、感染拡大防止につなげる取り組みや、一部検査を拡大する自治体も生まれています。

世田谷モデル1桁拡大で

 世田谷区は当面、大量検査が可能な自動計測機器の導入などで、1日320人程度の検査数を2倍程度に増やし、さらに感染が広がると深刻な影響がでる医療機関や高齢者介護・障害者施設、保育園などへの「社会的検査」を実施し、検査数の1桁拡大を目指します。

 保坂展人区長は、感染急拡大で疲弊する保健所とは別ルートで検査を行い、陽性者には保健所が支援する体制をつくっていくとしています。検査体制は、医師会の協力を得て拡充しています。

おがさわら丸 乗客に検査試行

 東京都は本土と小笠原諸島を結ぶ唯一の公共機関である客船「おがさわら丸」の乗船客を対象に、PCR検査の試行を11日から始めました。都によると、検査は唾液によるもので、乗船前に本人が採取し、提出。乗船後、検査で陽性反応が判明した場合(濃厚接触者を含む)、船内または下船後すぐに隔離することで、感染拡大を防止します。検査料は無料で、陽性者の本土への移送は自衛隊機を活用する方針です。

 都では検査は強制ではないが、感染拡大防止のために全ての人が検査を受けてほしいと協力を呼びかけています。

 感染リスクを減らすために受け入れを長期滞在者のみにしているという小笠原村(父島)でユースホステルを経営する佐々木等史さん(56)は、「母も高齢ですし医療体制が脆弱な村の住人としては、来島を自粛してほしいのが本音です。しかし補償がないので観光客に来てもらえなければ、生活が立ちゆかなくなります。相反する気持ちで苦しんでいる私たちにとって、乗船前のPCR検査の実施は大きな前進だと思います。小笠原に来たいと思っても、島の人に感染させる心配からためらっている人も多いので、完全ではないけれども、来島者、島民双方にとって安心材料にはなります」と話しています。

千代田区 介護施設の全職員に

 千代田区は6日から区内の全介護施設でのPCR検査をスタートさせました。新たな入所者を対象にしたPCR検査は、すでに7月4日から実施しています。今回新たに始めるのは、区内にある7カ所の介護施設の職員全員を対象にした、独自のPCR検査。概ね3カ月ごとに実施し、新規入居者には鼻咽頭ぬぐい液で、職員には唾液を採取します。

介護施設でPCR検査の検体を採取する職員=6日、千代田区(同区提供)

 同区によると、対象となる職員は約430人、新規入所者は約250人。こうした取り組みは23区初としています。同区は今後、検査サイクルの短縮化や対象の拡大を目指しています。区高齢介護課は、「クラスターが発生すると多くの命が危険にさらされる介護施設での感染予防の徹底が必要と考え、区独自の財源で実施することにした」としています。

国は制度化し都も支援を 木村正明区議の話

 共産党区議団は介護、福祉、保育、教育などの現場で働く人たちが、公費で定期的にPCR検査が受けられるよう提案してきました。介護施設の職員は、自分たちが利用者に感染を広げないかとの不安を抱え、それが理由で退職者も出ていると聞きました。今回の区の取り組みは、そうした不安に応えるものです。

 同時に検査対象の拡大や定期検査のサイクル短縮のためには、医師や看護師の配置など、体制強化が課題です。区の取り組みを紹介した私のツイート(SNS)は、6万件もの閲覧があり、「ぜひ自分が住む街でも実現してほしい」といった書き込みもあるように、全国どこでも求められています。そのためには国が制度として実施することや都の支援がどうしても必要です。

(東京民報2020年8月23日号より)

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